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アメリカの化粧品店頭販売の現況分析

オンラインショッピングが急成長する中、アメリカでブリック・アンド・モルタル(店頭販売)は化粧品販売市場の20%を占めるという。店頭販売は2012年以来、堅調に成長しており年間成長率19%を達成しているという。グローバル市場調査のクライン社は、このほど、リリースした有料レポート「Beauty Retailing USA: Channel Analysis and Opportunities」の中から、このような調査結果を発表した。

Ulta、Sephora(セフォラ)、Bluemercuryなどの化粧品小売専門店のチェーン展開、およびNYX、 Kiko Milano、e.l.f.などのマスマーケットブランドのフラッグシップ展開の加速が店頭販売を後押ししていると分析している。

Bluemercuryは最近、ニューヨークにデジタル技術を駆使した 旗艦店をオープンし、年内にさらに40店舗を開業すると発表した。またセフォラは、北米市場で最大級の店舗をニューヨークにオープンしたり、ボストンに「セフォラスタジオ」というコンセプトストアをオープンするなど店頭販売を強化している。若い世代のニーズに応じるため、デジタルツールと並行して、15分のフェイシャルサービスや45分のメイクアップサービスなど1対1のサービスを店舗に導入し始めたという。

NYX、e.l.f.、Kiko Milanoなどのブティックビューティストアは、低価格帯の製品開発を基に、若い消費者層に急速に浸透。地元のショッピングモールでの多店舗展開をスピードアップさせている。

米国の大手デパートも奮闘している。ノードストロームは、販売チャネルの限られた化粧品ブランドの取り扱いを強化したり、美容コンシェルジュを開設して、美容カテゴリごとにトップ製品を紹介しながら消費者の求める製品を推奨している。ニーマン・マーカスは、カウンターにメモリーミラーを導入して顧客サービスの質の向上を図っている。

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ヴァレリー・康子

顧問記者(国際ビジネス、マーケティング)

Yasuko Valery/早稲田大学大学院卒。英インデペンデント新聞社東京支局オフィスマネージャーを経て、日本経済新聞社ロサンゼルス支局で米国西海岸の流通、産業分野を専門に記者経験を積む。本紙では主に、米国欧州の海外メーカー、ブランドの動向、海外市場の動向、新規ビジネスモデルなどを担当。現在はロンドンに在住

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