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接触アレルゲン、皮膚のニッケル測定新方法

イオンビームを用いた新しい皮膚上のニッケル測定法が実験され、一定の成果が得られたことが11月23日、「Contact Dermatitis」オンラインに掲載された。

不完全抗体(ハプテン)となりうるニッケルは、アレルギー発症の要因となることもあるが、皮膚のニッケルを正確に測定する方法はなかった。今回の研究では、飛行時間型二次イオン質量分析法(Time of Flight Secondary Ion Mass Spectrometry:TOF-SIMS)という新しい方法を用いて、ヒトの皮膚におけるニッケルの浸透および分布を特定できるかを調査した。TOF-SIMSは、試料にイオンビームを当てて放出された二次イオンの解析から、試料表面の元素構成や化学構造を知ることができる方法。現在、高分子原料素材の分析などに用いられている。

乳房縮小手術から得られた全身ヒト皮膚を、フランツセルを用いて硫酸ニッケル(5%脱イオン水溶液)に24時間曝露した。ニッケル処理した試料および対照試料(脱イオン水のみ)から組織をスライスしToF-SIMSで分析、表皮および上部真皮におけるイオン分布の高解像度画像を生成した。その結果、皮膚層は、特にコラーゲンシグナルに基づいてToF-SIMSデータから識別することができた。ニッケルイオンは、角質層および上皮に局在化した。この研究は、TOF-SIMSを用いて、ヒト皮膚のハプテン分布追跡に適用した初めての報告となった。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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