アレルギーリスク大幅減 日華、新ヘアカラー「グロス染料」開発
2018.07.11
編集部
日華化学株式会社(福井県福井市)は、アレルギーリスクを大幅に軽減した新しいヘアカラー用『グロス染料』の開発に成功し、先月開かれた「平成30年度繊維学会年次大会」で発表した。
同社は、頭髪用化粧品ブランド、デミコスメティクスより新技術に関する特許を出願、今後製品開発を進める。
『グロス染料』は、酸化染料よりも分子が大きい二量体の染料で、頭皮に入り込みにくく、アレルギーリスクを大幅に低減する。長年培った同社の合成技術を活用した、地肌にやさしく、艶やかな発色を実現する新しい染料だ。
現在、ヘアカラー用の染料には主に、アルカリカラーに含まれる「酸化染料」、ヘアマニキュアに含まれる「酸性染料」、カラートリートメントに含まれる「塩基性染料」、ヘナ等の「植物染料」の計4種類が存在している。
「酸化染料」(アルカリカラー)は分子が小さくアルカリ剤によって髪の内部まで浸透し、過酸化水素の働きにより染料同士が結合(酸化重合)して発色するが、アルカリ剤や過酸化水素は髪へのダメージや頭皮への刺激を引き起こす要因となる。また、分子の小さな酸化染料が頭皮に入り込むことで、アレルギー反応を起こす可能性もある。
一方で「酸性染料」「塩基性染料」「植物染料」は分子が大きく、髪の内部までは浸透せずに表面に染着するため髪や頭皮への刺激が少ないが、染毛力が弱いまたは皮膚に染まりやすい傾向にある。
『グロス染料』は髪へのダメージや頭皮への刺激がなく、大幅にアレルギーリスクを低減でき、さらに美しい発色も実現するという、既存染料の優れた特長を併せ持つ新しい染料だ。
アルカリ剤・過酸化水素フリーでダメージレス・低臭・低刺激のカラーリングが可能になった。酸化染料は過酸化水素の力で染料同士が結合することで発色するが、『グロス染料』はすでに発色している染料のため過酸化水素を使う必要が無く、酸化によるダメージが無い。
また、『グロス染料』は髪のキューティクル層付近に染まりやすい特徴があり、髪に自然なツヤを表現できる。
さらに、『グロス染料』は二量体染料を精製しているため、不要なにごり・くすみのないピュアな発色が得られる。
- 参考リンク
- デミ コスメティクス