漢方薬の加味帰脾湯は健康寿命を延伸する救世主に

最新商品

2018.07.17

編集部

第18回日本Men’s Health医学会(7月14日~15日開催)のランチョンセミナー「オキシトシンと漢方薬~健康寿命を考える~」が7月15日、都内で開催され、演者の福島県立医科大学 病態制御薬理医学講座 准教授の前島裕子氏は「漢方薬の加味帰脾湯は超高齢化社会において健康寿命を延伸する救世主になりうる」と訴えた。

神経ペプチドであるオキシトシンは近年、自閉症、うつなどの精神疾患の改善で高い注目を集めている。前島氏らのマウスを使った研究では、オキシトシンの慢性投与は摂食量、体重などを減らすなど抗肥満作用があることを確認している。

また、血中のオキシトシンは肥満や加齢によっても減少することがわかっており、このことは健康寿命の低下につながりかねないことから、加味帰脾湯を投与することで改善できないか試みた。

実験によると、加味帰脾湯の経口投与や腹腔内投与により、オキシトシンPVN(室傍核)ニューロンが活性化することを見出した。そこで、加味帰脾湯のどの成分がオキシトシンニューロンを活性化するのか、構成生薬が重複する別の方剤を使って比較検討。具体的には、補中益気湯、四君子湯、人参湯を採り上げた。

比較検討の結果、人参湯は候補から外れた。個別の生薬を見ると、大棗はオキシトシンニューロン[Ca2+]iを活性化。当帰は大棗ほどクリアな反応はなかったもののある程度活性化させることがわかった。結果としては大棗、当帰、生姜の3つの生薬が「協同作業でオキシトシンニューロンを活性化している」(前島氏)との見解を示した。

参考リンク
第18回日本Men’s Health医学会

#

↑