美容業の4~6月期業況判断DIは3.4ポイント改善

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2018.08.28

編集部

株式会社日本政策金融公庫(東京都千代田区)が公表した生活衛生関係営業の景気動向等調査結果(2018年4~6月期)によると、美容業(461企業)の業況判断DIはマイナス16.1と前年同期に比べると3.4ポイント改善したことがわかった。

美容業の売上DI(前年同期対比「売上増加」企業割合-「売上減少」企業割合)は前年同期に比べて2.5ポイント改善してマイナス21.0となった。採算DI(当該期「黒字」企業割合-「赤字」企業割合)は前年同期のプラス4.2からマイナス3.7へと大幅に悪化した。

また、利用客数DI(前年同期対比「利用客数増加」企業割合-「利用客数減少」企業割合)は前年同期に比べて3ポイント悪化してマイナス33.6となった。客単価DI(前年同期対比「客単価上昇」企業割合-「客単価低下」企業割合)はマイナス14.0と前年同期に比べて4ポイント悪化した。

設備投資実施割合の推移を見ると、美容業は13.4%と前年同期に比べて2.4ポイント上回った。

美容業の経営上の問題点については、「顧客数の減少」が60.5%と最も高く、依然と深刻な状況が続いている。次いで、客単価の低下(26.5%)、従業員の確保難(21.0%)などと続く。

地域別に美容業の特徴的な動きを見ると、山梨県においては、地域に新店舗の美容室が増えているが、長く来店してくれているお客は減っておらず、介護施設や葬儀ホールへの出張による売上も堅調。京都府では、美容室の増加、安価な店の進出、客層の高齢化などの要因により顧客減少に繋がっている。また、顧客の来店周期も長くなっており、売上に影響。店舗は老朽化しているものの、改装資金の捻出が難しい状況となっている。

一方、5県の経営改善に向けた取り組み事例を紹介。岐阜県では、ホットペッパービューティーや楽天ビューティーに掲載するに当たり、それぞれに適したメニュー内容をつくり、集客の最適化を行ったり、時間単価を計算して効率の良いメニューに力を入れている。

島根県では、4月より週休二日制にしたことで、平日の暇な時間が減り、効率が良くなるとともに、従業員も体が楽になったという。岡山県では、お客の憩いの場所として店舗の側にテラスを増設し、家族連れのお客や友達同志でお茶をしてもらったり会話を楽しんでもらったりしている。そういう中で、信頼関係を築いて顧客定着につながればと期待している。

徳島県においては、新製品や流行の施術を導入。SNSを積極的に活用し、店の宣伝やヘアメイクの写真を掲載していることがお客から高く評価されている。また、予約制に変更したことで待ち時間がなくなったことも来店客の増加に繋がっていると思われる。また、大分県では、ヘルパー2級の資格を活かし、介護が必要な高齢者の車の乗降、店舗室内への誘導などを手伝ったり、仕上がったヘアスタイルをデジカメで撮影し、写真を提供し喜ばれているという。

7~9月期の見通しについては、業況判断DIはマイナス9.8と改善する模様。売上DIはマイナス14.0、採算DIはプラス0.9とそれぞれ改善傾向にある。ただ、設備投資実施予定割合については8.9%と前期と比べて落ち込む見通しだ。

参考リンク
株式会社日本政策金融公庫

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