ニキビ治療薬の開発に有望な植物性化学物質
2019.09.3
国際部
現在の尋常性ざ瘡(ニキビ)への治療薬は望ましい有効性に不足で副作用が顕著なため、薬用植物を用いた治療に関心が高まっている。尋常性ざ瘡に対する植物由来分子の評価についてのレビュー、また、その潜在的な作用メカニズムを検討した結果が8月26日、「Archives of Dermatological Research」オンラインに掲載された。
対象資料は、1980~2018年のPubMed、Scopus、Cochraneライブラリ、Google Scholarなどのさまざまな電子データベースから終始した、尋常性ざ瘡の管理における植物性化学物質を評価するin vitro、in vivo、またはヒト研究とした。
その結果、尋常性ざ瘡への効果が調査された植物性化学物質のほとんどは、レスベラトロール、ミリシトリン、シサンドリン、テルチェブリン、アルファ–マンゴチン、クルクミン、エラグ酸およびエピガロカテキン3-ガラートなどのポリフェノールのカテゴリーからのものだった。わずかに、ベルベリン、ウルソール酸、ルペオールなどのアルカロイドおよびテルペノイドの評価も報告されていた。
酸化防止、抗炎症、免疫調節、抗菌、抗アンドロゲン、皮脂産生の減少、および脂質生成阻害活性などのさまざまな分子メカニズムが植物性化学物質の影響に関与していた。植物性化学物質は、尋常性ざ瘡の治療のための新薬を特定するために貴重な供給源であると考えられるが、ほとんどの研究はまだ前臨床試験の段階である。より信頼性の高い試験結果が得られるよう今後の開発研究が期待されると研究者らは述べている。