化粧品各社、国内で新工場建設相次ぐ

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2019.12.2

編集部

大手化粧品各社が国内で新工場建設を相次いで打ち出すなど、建設ラッシュの様相を呈している。中国などからの外国人観光客が日本製の化粧品を好んで購入する傾向が続いており、増加する需要を確実に取り込む狙い。また、中国やアジア諸国に建設した工場で働く労働者の賃金が日本の労働者の半分まで上昇していること。さらに、海外生産工場でのリードタイム納入や在庫、原材料調達などの短納期が一段と求められていること。米中の貿易摩擦の長期化など複合的な要因から生産工場を国内に建設しているもの。

「群馬、埼玉両県にある既存工場の生産増強だけでは対応しきれない」として株式会社コーセー(東京都中央区)は、150億~250億円を投じて山梨県南アルプス市に新工場を建設中。2021年度に完成し、稼働する予定。 国内での新工場建設は、42年ぶりのこと。また、コーセー傘下の株式会社アルビオン(東京都中央区)は、埼玉・熊谷工場内に新工場を建設し2020年7月に稼働予定。

株式会社資生堂(東京都中央区)は、中高価格帯スキンケア製品の製造工場として約350億円を投じて栃木県大田原市に那須工場を竣工し、2019年12月24日より本格稼働する。
那須工場に続いて大阪市の大阪工場を茨木市に移転し、550億円を投じて高価格帯のスキンケアを生産する大阪新工場を建設する。すでに、2019年1月に着工しており2020年12月末に完成予定。さらに2021年度中に福岡県久留米市にスキンケア新工場の「九州福岡工場」を建設し稼働させる。投資額は、約400~500億円を予定。同社の新工場建設、既存工場の増強を合わせた総投資額は、約1700億円に上る見込み。

株式会社マンダム(大阪府大阪市)は、福崎工場(兵庫県福崎町)に新工場を建設する。将来的な事業拡大を見据え化粧水などの生産能力を1.6倍に高める。投資額は、110億円を見込む。すでに新棟建設は、2019年2月に着工しており、2020年11月に稼働する。

株式会社ナリス化粧品(大阪府大阪市)は、国内に兵庫工場と株式会社ナリス コスメティックフロンティア(兵庫県神戸市)の2工場をもつ。2工場に加えて新たに主力工場の兵庫工場敷地内に新工場を建設し稼働(2019年5月)させた。生産能力は、従来比3.5倍に増えた。表に各社の新工場建設計画を示す。

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