新型コロナウイルス・化粧品業界を直撃、業績見通せず
2020.03.27
編集部
化粧品業界が新型コロナウイルスの直撃を行けている。業界各社の業績見通しは、新型コロナウイルスの影響と東京オリンピック先送りも加味して軒なみ弱含みの予想を立てるなど深刻な状況。化粧品各社の決算も全体として活力を欠き、低空飛行を余儀なくされている。表に化粧品各社の業績見通しを示す。
花王株式会社(東京都中央区)は、2020年12月期連結予想について国際的な貿易問題や中東を巡る地政学リスク、新型コロナウイルスの影響等により予測が困難で、不透明な経営環境が続くと判断。そのため、連結業績予想は一定幅をもたせ、売上高が前期比0.5%~1.8%増(実質2.3%増~3.6%増)の1兆5100億円~1兆5300億円。営業利益が同3.9%増~8.6%増の2200億円~2300億円、純利益が同3.9%増~8.6%増の1540億円~1610億円と予想。
株式会社コーセー(東京都中央区)は、2020年3月期の連結業績予想を下方修正した。中国・武漢での新型コロナウイルスによる免税売り上げや免税チャネルへの影響、国内の消費増税による駆け込み需要の反動減などが要因で、当初計画を下回ると判断した。下方修正後は売上高が3360億円(修正前は3520億円)、営業利益が450億円(同540億円)、経常利益が461億円(同547億円)、純利益が300億(同371億円)としている。
株式会社資生堂(東京都中央区)の2019年12月期決算は、売上高1兆1315億円(対前年比3.4%増)、営業利益1138億円(同5.1%増)となった。また、2020年通期の見通しは、新型コロナウイルスの影響を除き、売上高1兆2200億円(対前年比7.8%増)、営業利益1170億円(同2.8%増)としている。
株式会社ポーラ・オルビス ホールディングス(東京都中央区)の2019年12月期業績は、昨年年初に中国で施行されたEC法(代理購入の取り締まりを強化する法律)などの影響を受け、売上高は2199億円(対前年比11.5%減)、営業利益は311億円(同21.2%減)と減収減益となった。さらに2020年12月期売上高は、2170億円(対前年比1.3%減)、営業利益312億を見込む。