ファッションブランド、コスメ市場参入の構図~ユーロモニター分析

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2013.10.2

編集部

世界の高級ファッションブランドが香水、化粧品の製品化へ業容を拡大した伝統に従うように、新進のファストファッションブランドが美容市場への参入を加速している構図が鮮明になってきたー英市場調査ユーロモニターの業界アナリストは同社のブログにこのような動向を指摘している。

英国の若者層をターゲットにするファッションブランド、Topshop(トップショップ)は2009年、カラーコスメティックに参入。業績を順調に伸ばし、トップショップの店舗で販売するほか、英大手高級デパート、セルフリッジやジョンルイスの化粧品コーナーで「トップショップ」の美容アイテムとして独立した販路を構築するに至っている。最近では、ロンドン市内のオックスフォードストリートにあるフラッグシップ店に、「ビューティルーム」を導入して、アイブロー、ネイルなど美容サービスの提供まで業容を拡大している。

ユーロモニター・インターナショナルのアパレル業界アナリストのAshma Kunde氏は、このようなトップショップの事例をアパレルメーカーの事業拡大のビジネスモデルとして取り上げている。ファストファッション・トレンドの回転は速く、店内のフロアで数週間でヒットアイテムが生まれることも稀ではない。この流れに沿って、比較的手頃な価格のビューティアイテムを市場投入することは、洋服のコーディネートの一環として販促に成功したのではないかと分析する。北米、ヨーロッパでネイルポリッシュの売上が急増傾向にある中、トップショップは、2013年の春・夏のコレクションの一部としてネイルアートペン、トップコートなどを市場投入して攻勢の速度を緩めない。

世界最大手のH&M、米フォーエバー24はメイクアップ製品の開発を始めており、キャッシャーの手前にメイクアップ製品のアイテムを置くマーケティング方法を採用している。顧客がファッション製品の支払いをする直前にメイクアップ製品を手に取れるよう工夫してある。さらに、英アパレル小売のスーパードライも今春より、コスメティック製品ラインをグローバル市場で展開し始めた。

一方、米カジュアルファッションのアバクロンビー&フィッチは香水販売を展開。米ランジェリー大手のヴィクトリアズ・シークレットは香水、ボディケア製品に特化したビューティラインの開発を強化している。このように、ファッションメーカーが収益性の高いビューティアイテムへの開発を強化する動きが一層激しくなってきている。

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