Endo180産生促進剤、中国地方発明表彰で広島県知事賞を受賞
2021.11.2
編集部
医薬品や医薬部外品、化粧品、食品の原料を製造する丸善製薬株式会社(広島県尾道市/代表取締役社長:日暮泰広)は10月27日、令和3年度中国地方発明表彰において、特許第6781549号「Endo180産生促進剤」(エントリータイトル:肌におけるコラーゲンの持続的再生)が、広島県知事賞を受賞したと発表した。
また、当該特許および関連する研究成果については、同社から販売中の化粧品原料「レモンバームエキスRA」や、食品原料「レモンバームエキスパウダーMF」の開発に反映されている。
なお、Endo180は、皮膚線維芽細胞に存在している膜タンパク質で、コラーゲン受容体の一つ。
紫外線等のダメージにより断片化・変性したコラーゲンが肌内部の細胞外マトリックス中に蓄積しないよう線維芽細胞内に回収することで、コラーゲンの再構築プロセスに関与しており「肌におけるコラーゲンの持続的再生」に重要な役割を果たしている。
同社では、これまでにEndo180がUVBの影響により減少することを確認しており、Endo180の減少は紫外線を原因とする肌の老化現象である「光老化」の大きな原因の一つであると考え、生体内におけるその詳細な役割についての基礎研究を推進し、学会発表や査読付き論文誌での報告を重ねてきた(図)。
また、同社では、レモンバームエキスとその活性成分であるロスマリン酸にEndo180の産生を促進する効果を見出しており、その知見を当社が販売する化粧品原料「レモンバームエキスRA」および食品原料「レモンバームエキスパウダーMF」の商品設計に応用している。
ちなみに「地方発明表彰」(主催:公益社団法人発明協会、共催:全国道府県発明協会)とは、各地方における発明の奨励・育成を図り、科学技術の向上と地域産業の振興に寄与することを目的として大正10年に創設されたもの。
全国を8地方(北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州)に分け、各地方における優秀な発明、考案、意匠が顕彰される。