ヤスダヨーグルトを化粧品原料に、日本人の肌老化に最適と実証
2013.11.22
編集部
化粧品の研究開発を行う株式会社サティス製薬(埼玉県吉川市)と「ヤスダヨーグルト」の製造販売を行う有限会社ヤスダヨーグルト(新潟県阿賀野市)は11月21日、ヨーグルト由来の化粧品原料「ホエイエキス」を共同開発した、と発表した。ヤスダヨーグルトの「ホエイエキス」は、日本人女性に最適な化粧品原料で、シワを中心に総合的なエイジング効果が見込めるとのこと。サティス製薬は今後2014年3月までに、同ホエイエキスを活用した40歳以降の女性に向けたトータルエイジングケア化粧品の製品化を予定している。
「ホエイ(乳清)」はヨーグルトを作る際にできる副産物で、固形物と分離された水溶液のこと。高蛋白・低脂肪で栄養価が高く体内での吸収が早いため、ダイエット食品やサプリメント、プロテイン飲料に活用されている。ヤスダヨーグルトは、ホエイを廃棄してきたが、サティス製薬が美肌効果をより引き出す加工法で原料化し、有効性試験を実施した。
試験結果では、乳酸菌発酵の「ホエイエキス」は、酵母発酵原料と比べて高い浸透性を備えており、 皮膚の細胞を活性化する高い細胞賦活作用をはじめ、抗酸化作用やターンオーバー促進作用など様々な有効性があり、シワやたるみ、シミなどのあらゆるエイジングサインに対して網羅的に効果を発揮することが確認できた。発酵のメカニズムは極めて複雑で、意図した有効性を生み出すことは困難なため、同「ホエイエキス」のトータルエイジングケア効果は、ヤスダヨーグルトとサティス製薬の原料製法が生み出した有効性だとしている。
試験結果からはまた、同「ホエイエキス」が特に日本人女性のエイジングケアに最適な原料だということも判明した。老化が起こるプロセスには、紫外線によるダメージに起因する「光老化」と、加齢などに伴う皮膚の根本的な「自然老化」がある。本来、日本人女性の皮膚は欧米人に比べて紫外線への耐性が高く、紫外線は自然老化を促進する要因に過ぎないと言われている。つまり、日本人女性のエイジングケアには「自然老化」に正しくアプローチする事が求められる。
ヤスダヨーグルトは、一般にヨーグルトの発酵に用いられる乳酸桿菌だけでなく、乳酸球菌も用いた2菌種による乳酸発酵法で作られているため、発酵による代謝物である有効成分がより多く生み出される。その有効成分の一つにアミノ酸がある。サティス製薬の研究から、一般的な ホエイエキス(発酵菌1種)よりも、ヤスダヨーグルトのホエイエキス(発酵菌2種)は約1.6倍のアミノ酸が含有されるということが判明した。アミノ 酸同士が結合するとペプチドとなり、さらに多くの種類の有効性が生まれるため、トータルエイジングケア効果を高めるという。さらにサティス製薬は、ホエイが本来もつ効果をそのまま化粧品として活用するために、原料(エキス)加工法のプロセスで、加工温度や皮膚との親和性を持たせるなどの工夫を施した。
こうしたこだわり製法によって、同「ホエイエキス」は従来にないレベルで「自然老化」にアプローチするための性能を備えることができ、「光老化」に働きかける酵母エキスよりも日本人女性のエイジングケアに効果的な原料だと結論づけている。