うつかな?と思ったら、引越しが効果的

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2014.01.15

編集部

英国エクセター大学医学部の研究結果から、市街地にある緑地が精神衛生にとって大きな効果がある可能性について1月7日の大学公式サイトで発表された。

従来より、災害時の避難場所や延焼防止効果などへの期待から都市部の緑化は進められてきていた。最近では、日差しを遮ることでの省エネや二酸化炭素(CO2)の削減などの環境への効果も期待されている緑化が人間のメンタルにも良い効果があるという。

英国で1000人以上の参加者を5年間追跡したこの調査は、公園などの緑地の人間への影響を調べるという新しい研究のひとつ。研究者らは参加者を、緑地の多い地区に引っ越したグループと、少ない地区に引っ越したグループにわけて調査・分析した。

緑地の多い地区に引っ越したグループでは、引越し後すぐにメンタルヘルスに良い効果が現れ、その効果は3年以上継続した。少ない地区に引っ越したグループでは逆に、メンタルヘルスの低下が見られた。興味深いことに、この低下は引越し前に見られ、引越し完了後には元の状態に戻っていたことだった。

職場や収入、教育や近隣との人間関係など、引越しに伴うその他の変化という要因を除いて考えても、環境にやさしい地域への引越しは、メンタルヘルスの大幅で長期的な改善につながると主任研究者のIan Alcock博士は述べている。

2012年にWHO(世界保健機関)は、疾患・障害の主要な原因としてうつ病をあげており、メンタルヘルスの問題は今や世界的な健康問題となっている。今回の研究では、自然が人間の健康と福祉に貢献することを示唆しており、今後の都市開発にも影響を与える可能性がある。

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