テラ、白山通りクリニックと連携契約、前期業績を下方修正
2014.02.4
編集部
再生医療ベンチャーのテラ(ジャスダック上場)は1月31日付けで、医療法人社団輪生会「白山通りクリニック」に樹状細胞ワクチン療法の治療技術、ノウハウを提供することで合意し、連携契約を結んだ。今度の契約で、同クリニックを含む連携契約医療機関は、15ヵ所、臨床試験を行なう契約医療機関は、全国で合計34か所となった。また、前期(2013年12月期)業績を下方修正した。
今度、新たに連携契約(テラが施設の貸与、技術・ノウハウの提供を行う医療機関)を結んだ白山通りクリニックは、東京女子医科大学東医療センターの関連施設で、免疫細胞療法(活性化リンパ球療法)を専門に行う医療機関。2013年12月末現在で、同クリニックのがん治療実績は、4,025症例にのぼる。
テラは、自社開発したがんワクチンの1つで、リンパ球にがん細胞のみを狙って攻撃させる新しいがん免疫療法「樹状細胞ワクチン療法」の技術、ノウハウなどを同クリニックに対して今年春から提供を始める方針。
同クリニックとの連携契約により連携医療機関数は、累計15か所となった。また、樹状細胞ワクチンとして製品化した「バクセル」(商品名)を使って安全性、有効性などの臨床試験を行なう契約医療機関は現在、全国で累計34機関にのぼる。34機関合わせた累計症例数は、約7,300症例(2013年9月末現在)に達した。
同社では「引き続き連携医療機関、契約医療機関の拡大を図り樹状細胞ワクチンとバクセルの安全性、有効性についてのエビデンス強化を図り国内初のがん治療用の再生医療製品として承認申請を行なう方針」で、バクセルの量産化技術にメドをつけて2014年度中にも製造・販売の承認申請に踏み切る方針。
同社は前期(2013年12 月期連結)業績を2014年1月31日付けで下方修正した。細胞治療技術開発事業において樹状細胞ワクチン療法とバクセルの症例数が当社の予想より下回ったこが主因。下方修正した2013年12 月期業績は、売上高15億3900万円(前期15億4400万円)、営業利益2300万円(同2億2100万円)、利益▼5800万円(同9900万円)の減収減益。