美容と健康に欠かせないビタミンで大人のADHD治療
2014.02.5
編集部
大人の注意・欠陥多動性障害に微量栄養素で効果があったことが、1月30日の「The British Journal of Psychiatry」オンライン版に掲載された。
ニュージーランドにあるカンタベリー大学の研究プロジェクトによって注意・欠陥多動性障害(ADHD)の成人患者80人を対象に行われた試験では、微量栄養素(ビタミンとミネラル)群とプラセボ(偽薬)群に分けて8週間投与した。その結果、自己診断、医師による客観的な判断の両方で、微量栄養素群の患者に大きな治療効果が見られた。また、栄養素による有害作用はみられなかった。
この研究は、ADHAへの微量栄養素の効果をはじめて明らかにしたもので、ニュージーランドで約5%の人が苦しんでいるとされるADHDに対する実現可能な治療法としての可能性につながると研究者らは語っている。
同研究グループでは、ADHDへの研究を継続するほか、うつ、睡眠障害、中毒症などに対する栄養治療の効果を実験している。子供の健全な成長や、成人の健康・体力の維持が主な目的であった栄養学に、疾患の治療という新たな可能性が見えてきた。