テラ、合弁会社設立、新たにゲノム解析事業に進出
2014.02.10
編集部
バイオ創薬ベンチャーのテラ(ジャスダック上場)は、合弁事業で新たにゲノム解析事業に進出することになった。2月中に遺伝子(ゲノム)解析ソフトウェア開発の株式会社ジナリス(神奈川県横浜市)と合弁会社「ジェノサイファー」(神奈川県横浜市、資本金2000万円)を設立し、医療機関などから遺伝子(ゲノム)解析・検査を受託して収益拡大に繋げる。合弁会社の出資比率は、テラ51%、ジナリス49%。合弁会社の社長には、テラの現社長矢﨑雄一郎氏が就任し子会社とする
今度、テラが合弁会社を設立して新たにゲノム解析事業に進出することになったのは、樹状細胞ワクチン療法で築いてきたがん領域での医療機関・医師とのネットワークが活用できること。また、ジナリスの高度な遺伝情報処理技術を融合させて疾病発症に関わる遺伝子変異情報をもとにしたオンライン疾病診断支援システムを新たに開発し、遺伝子解析情報を医療機関に提供することで、遺伝子解析・検査の受託ビジネ拡大に繋げる狙い。将来は、日本に加えてアジア市場でもビジネス展開を図る。
テラの新規事業展開に拍車がかかっている。2013年4月に再生医療の実用化を目指す㈱ヘリオス(旧日本網膜研究所)と出資に関する株式引受契約を締結。同年12月に業務提携に関する基本合意書を締結し、IPS細胞を用いたがん免疫細胞療法の開発に乗り出した。また、2013年5月に全額出資で連結子会社タイタン㈱を設立し、画像診断技術を活かしたがん新薬の治験支援事業へ新規参入した。さらに、樹状細胞ワクチン「バクセル」(商品名)の承認取得を目指すため、2014年1月に全額出資の連結子会社「株式会社テラファーマ」を設立するなど新規事業に次々と乗りだしている。
同社の2013年12月期業績は、細胞治療技術開発事業の売り上が減少したことで、売上高前期比0.3%減の15億3000万円、営業利益は、研究開発費の増加で、前期比89.5%減の2323万円、当期純損失は、5800万円の赤字。
- 参考リンク
- テラ株式会社