ナールスコーポ、ナールスゲンを化粧品原料として事業化

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2014.03.6

編集部

京大・大阪市大発ベンチャー・株式会社ナールスコーポレーション(京都府、社長松本和夫氏)は、アンチエイジング化粧品原料「ナ―ルスゲン」の事業化に乗り出した。ナ―ルスゲンは、京都大学平竹潤教授と大阪市大との共同研究で開発したもので、同社が技術移転を受けて新しいアンチエイジング化粧品原料として製造・販売する。

アミノ酸の類似化合物(誘導体)として設計・合成した化合物「ナ―ルスゲン」は、平成21年度に科学技術振興機構(JST)が京都大学平竹潤教授(開発代表者)に対して委託した代謝分解酵素によって引き起こされる細胞内コラーゲン産生の応用研究の中から生まれた。生体内で活性酵素や重金属など有害物質の除去に重要な役割を担う代謝分解酵素の阻害作用を見出し、創製することに繋げた。また、平竹潤教授らと大阪市大との共同研究で、ナ―ルスゲンが真皮の成分を作り出す細胞「皮膚線維芽細胞」にコラーゲンやコラーゲンの線維を支える役割を持つ線維「エラスチン」を産生し、保湿効果、肌の弾力性向上などの特性を持つことを発見した。

こうしたナ―ルスゲンの作用や特性を裏付けるため、共同研究パートナーのドクターシーラボで行なったヒトでのモニタリングテストでは、保湿効果、肌弾力の向上、シワ改善効果が実証されたほか日本化粧品工業連合会の化粧品安全試験に合格したことから新しい化粧品原料としてナ―ルスゲンの事業化に乗り出したもの。

現在、販売については、ドクターシーラボと直接取引し受注拡大に繋げる。OEM会社に販売委託することも検討中。また、製造については、各種分析、品質チェックを全て自社で実施するほか医薬品中間体メーカーに処方箋を依頼し、合成委託する。

当面、年間売上高1億5000万円が目標。今後、「コスト面、製剤面での改良を図りながら、薬用化粧品として展開するために、医薬部外品の許認可取得を目指す考え」(松本社長)。

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