ベンチャーが育毛・増毛剤分野に参入、商品開発、販売を強化(1)

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2014.03.18

編集部

技術開発型ベンチャーが育毛・増毛剤分野に新規参入する動きが顕著になってきた。高度な技術開発力を裏付けに商品開発に取り組む一方、国内外の市場で販売を始める動きも見られる。すでに育毛・増毛剤、植毛、かつらを合わせたヘアケア国内市場は、約2000億円市場を形成。その中で、育毛・増毛剤市場に新規参入した株式公開を視野に入れたベンチャーが大手の牙城を崩せるか、注目される。

アドバンジェン、豪セルミット社傘下に

男性用・レキシリスブラック豪の医薬品企業セルミット社傘下(2013年5月)に入った株式会社アドバンジェン(千葉県柏市)は、2003年に男性用と女性用の育毛ローション「JOJU」(男性用・レキシリスブラック=写真)と2006年に育毛シャンプーを商品化。以来、現在までにネット通販と美容サロン向け主体に販売。また、中国市場で今年に入りネットで販売を開始した。

同社が商品化した育毛ローションは、毛根に働く毛包の活性化と髪の成長期を延長する作用を持つ。このような機能性を実現したのは、独自に開発した「IQ髪(イクファ)」技術によるところが大きい。イクファ技術は、毛根の活性化や男性ホルモンの抑制によって発毛を促す既存のタイプの育毛剤とは全く違ったメカニズムを持つ。毛が生えていないところに毛髪を発生させるのではなく人間が本来自然に備えている生命力に着目することで、生命力がもたらす成長のメカニズムを十分に活かすという開発思想に拠る。

こうしたイクファ技術をベースに脱毛シグナル因子「FGF-5」が毛髪の伸長を抑制する作用に注目し「FGF-5」が通常より早く働くことで、髪の成長期が短縮され薄毛になることを突き止めた。さらに、ワレモコウなどから抽出した植物エキスが「FGF-5」を抑制することを発見し、植物エキスを配合して臨床試験を重ねた結果、商品化に繋げた。

現在、同社の課題は、販路開拓。国内においては、美容室を中心にマーケットを広げる一方、個人向けにインターネット通販に力を入れている。今後、販促や販路開拓、新製容軌道品開発などについてセルミット社がどのような戦略を打ち出し、アドバンジェンを成長軌道に乗せるか、注目される。

アドバンジェンは、2002年2月創業、同年8月に産業技術総合研究所の認定ベンチャーに指定された。2011年1月には、中国 瀋陽薬科大学との共同研究契約調印、2011年4月に豪セルミット社のグループ会社豪アドバンジン社と米国、欧州における販売提携を交わした。

参考リンク
アドバンジェン

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