ビッグデータ活用でメタボの将来リスク予測

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2014.07.1

国際部

「American Journal of Managed Care」は6月27日、ビッグデータの分析から、メタボリックシンドロームの将来リスクを予測できるという研究結果を発表した。研究は、米国の健康保険会社Aetnaと米国の健康関連のビッグデータ解析を専門とするGNS Healthcare Incが主導して行われた。

解析対象となったデータはAetnaの顧客約3万7000人の医療記録、人口統計、調剤記録、ラボテスト、生体スクリーニングの結果で、異なる2つの解析モデルを使用した。解析結果はROC曲線下面積がそれぞれ0.80と0.88で、将来リスクを予測できたことが示された。メタボリックシンドロームの5つの要因から、個々の患者についてもリスクを予測することができるという。また、定期的にかかりつけ医の診察を受けることは、1年間で90%の人でメタボリックシンドロームになる確率を低下させることがわかった。さらに、ウエスト周囲値を下げることと血糖値の改善が、その後の心臓病や脳卒中のリスクを下げ、医療費削減に貢献することもわかった。

毎年の健康診断で積み重ねられた膨大な「ビッグデータ」。このデータを解析することで、健康の管理や促進に役立てようという動きは日本でも活発だ。4月20日にはNHKの「サキどり」で「到来!健康ビッグデータ時代 職場と健康の意外な関係」と題した番組が放送された。番組によると、データの解析から、営業職に多いのは高血糖、SEは高血圧などの傾向がみられるという。

また5月には、京都大学大学院で健康情報学が専門の中山健夫教授監修による『医療ビッグデータがもたらす社会改革』が日経BP社から出版されている。しばらくは健康管理にビッグデータを活用しようという動きが続きそうだ。

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