楽天は、今年（2014年）10月1日付きでヘアサロン検索サイト「美美美コム」を運営する子会社・株式会社美美美コム（東京都渋谷区）を吸収合併（簡易合併）する。この吸収合併によって楽天は、ヘアサロン検索サイトの業界ナンバーワンを目指す。

楽天は、2012年6月にオンラインでのヘアサロン検索・予約に特化したヘアサロン予約サービス「楽天サロン」を開始。同時期に国内業界第2位の規模を誇るヘアサロン検索サイト「美々々コム」運営の株式会社美美美コムを買収して傘下に収め、完全子会社とした。以降、両社の連携を図りながら利便性の高いサービスの提供を行ってきた。しかし、システムの統合や人的活用の効率化、楽天グループが手がけるネットサービスとのシナジー効果をより発揮する必要があるとして今年8月に合併を決議（取締役会）し、10月に吸収合併することにした。株式会社美美美コムは、会社を清算し姿を消す。

株式会社美美美コム（2007年1月設立）は、成果報酬型（コール課金）のヘアサロン検索サイトとして毎年平均で1000店舗以上の純増数を誇り上場予備軍の候補に挙げられるなど急成長を辿ってきた。しかし、コール課金や広告収入が年々減少し、2013年12月期の業績は、営業損失100万円、最終損益200万円の損失となるなど収益が伸び悩んだ。

今度の企業買収による吸収合併の動きは、美容検索サイトや通販サイト事業が大きな過渡期にあることを象徴している。また、楽天傘下で医薬品のネット販売「楽天24」などを手掛ける株式会社ケンコーコム（マザーズ上場）の後藤玄利社長が今年10月の臨時株主総会で退任するなど引き続き楽天のネット事業を巡る動きが注視される。