2014年の化粧品トレンドを回顧 ~化粧品の高機能化、国際化、異業種参入に弾み~

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2014.12.26

編集部

株式会社美容経済新聞社(東京都港区)は、2014年の化粧品業界を振り返って「化粧品の高機能化」と「化粧品企業の国際化加速」、「化粧品分野への異業種大量参入」の3つを代表的なトレンド(指向)として挙げた。3つのトレンドは、化粧品の新たな開発の方向性や海外市場への進展、新規事業による成長戦略を示したもので、来年もこのトレンドが続くとの判断に立つ。

化粧品の高機能化は、女性の社会進出に伴い女性の化粧品に対する意識が1本の化粧水に乳液、日焼け止め、化粧下地、ファンデーションなどの機能が入ったオールインワンタイプの化粧品を求めることを反映して開発された。特に、働く女性にとって朝は、短時間に化粧を済ませたいというニーズが強い。すでに美容液とファンデーションを合わせたBBクリームは、商品化されて市場に投入されている。だが、化粧水や乳液、ファンデーションを組み合わせた、より高機能化を図った化粧品開発は依然として技術的課題も多い。しかし、高機能化化粧品のトレンド指向は、引き続き根強いものがある。今後とも、化粧品メーカー各社の高機能化を見据えた新製品開発の実力が試される局面が続こう。

国内化粧品市場が高齢化、少子化に伴い右肩上がりの成長が期待できない中で、化粧品原料・素材、OEM、化粧品メーカーなどがこぞって海外に軸足を移すなど国際化が加速している。特に、化粧品消費の世界的中心地・中国への進出は、政情不安でチャイナプラスワンが日本企業に浸透。中国に加えてもうひとつの拠点を化粧品の新興市場ベトナム、タイ、ミャンマー、カンボジア、マレーシア、インドネシアなどに移す動きが顕著。ただし、日本企業は、中国市場などで現地の企業と激しい競争にさらされるなど収益を上げるのは容易でない。海外市場を取り込むのには、ある程度の時間と提携を含む戦略が必要だ。

国内化粧品市場の伸びが期待できない中で、新たに異業種から化粧品市場に参入する国内企業が後をたたない。
資金力、技術開発力、販売力が揃う大手企業中心に参入意欲を強めており業種業態も一様でない。参入理由は「これまで開発した原料や素材が化粧機能性を持つ」「現行の会員制度が販売面で生かすことができる」「製法・配合特許など知的所有権の有効活用」「開発・販売面での合従連衡」などさまざまな理由があり化粧品という新規事業に賭ける期待は大きい。今後とも化粧品分野へのトレンドの動きが続くのは必死の見通し。

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