英サセックス大学の研究者らが「寒さ」が人から人へ伝染することを発見。1月14日に同大学サイトに掲載した。詳細は、昨年12月31日でオンラインジャーナル「PLOS ONE」に掲載されている。

36人の参加者に、俳優が演じた、温かい水の中に手を入れた場面と冷たい水の中に手を入れた場面を見て、実際に自分の手の温度を測ってもらった。その結果、冷たい水の場面を見たときには参加者の手の温度も下がっていることを確認した。温かい水の場面では手の温度に変化はなかった。この原因について、温かい水のビデオは、氷を映した冷たい水のビデオよりインパクトが弱かったことや、人は他の人が感じる暑さより寒さに対して敏感である可能性を挙げたが、研究者らは「人間は温度感染の影響を受けやすい」としている。

この研究を主導した神経科医のNeil Harrison氏によれば、このような無意識の共感による生理的変化は、それぞれの地域社会のなかで共同生活を行っていくのに役に立つ可能性があるという。