純植物性の「バイオ冬虫夏草」が誕生
2015.06.8
編集部
“冬虫夏草”という名前を聞いたことがある人は多いのではないだろうか。ただ、具体的にどんなものなのか、知らない人は多いはずだ。冬虫夏草は、中国において「鹿茸(鹿の幼角)」「薬用人参」に並ぶ三大滋養強壮品の一つで、非常に高価な漢方生薬となっている。現在、日本では入手困難で、本場の中国でも一般市民の手の届く生薬ではない。
中国において、冬虫夏草とは、コウモリガの幼虫に寄生した麦角菌科植物・冬虫夏草菌の「子座」(子実体、キノコ)と、その幼虫の死体の複合体。冬の間、地中にこもった幼虫に、冬虫夏草菌が寄生して、長い時間をかけて幼虫の栄養を吸収し成長を続け、夏になると発芽した子実体が地表に出る。冬虫夏草という名前の由来はここから来ている。
四川省、青海省、チベット、雲南省などが主な生産地となっており、生産量では四川省が最も多い。中でも、海抜3000~4000mのチベット高原で採取される冬虫夏草は、高級品とされており、市場価格は1kg当たり約320万円に上る。1999年には中国の国家2級重点保護種に指定されており、海外への輸出も規制されている貴重な生薬となっている。
中国の伝統医学である中医学では、「益腎補肺」(腎と肺を補う)などの効能がある。中医学の“腎”は下半身を司るので、男性機能の低下や腰・膝のだるさや痛みを緩和する。“肺”は現代医学の“肺”と似ており、慢性的な喘息や気管支炎などの症状に効果を発揮する。冬虫夏草の業界団体である「青海省冬虫夏草協会」では、上記のほかにストレス、免疫力低下、中高年の体質虚弱、各種ガン、慢性肝炎、動脈硬化など様々な疾患に対する有効性を挙げている。
中国では、医療としての活用だけでなく、健康を維持するため薬膳料理としても使われており、有名な料理として「虫草全鴨」がある。鴨の腹を割って、その中に冬虫夏草、生姜、ネギを入れて2時間かけて蒸し焼きにする。また、“美顔”にも良く、冬虫夏草とナツメを半日水に浸した後、土鍋で水と煮てスープにすることもできる。
身体に良い様々な効能を持ちながら、高価で入手しにくかった冬虫夏草も、台湾ISOGreen(富享生物技術株式会社)のバイオテクノロジーにより安価で手軽に入手できるようになった。同社は、天然の冬虫夏草と同等の栄養価を持つ、100%植物由来の『北虫草』(バイオ冬虫夏草)の人工培養に成功。これにより、サプリメントとして口にすることができるようになった。北虫草は、抗炎症作用成分「コルジセピン」(虫草素)の含有率が冬虫夏草より高い。しかも、コルジセピンの含有量を大幅に増やすこともでき、バイオ技術で成分をベストなバランスに調整できることが特徴となっている。
北虫草は、ISOGreen 代表で微生物生理学研究の第一人者である劉亨朗博士が、台湾政府機関のバックアップを得て開発したもので、天然の冬虫夏草の子実体の細胞構造と完全に一致していることも証明した。冬虫夏草の多くは根の菌糸体を使用しているが、北虫草では最も栄養価の高い子実体を採用している。北虫草は穀物をベースに培養した植物性なので、天然の動物性のような臭みはなく、服用しやすい。動物性の冬虫夏草は、生産に1年を要するが、植物性の北虫草は60日間で製造可能で大量生産に向いている。
北虫草には、コルジセピンのほかに、マンニトール(虫草酸)、βグルカン(虫草多糖類)、エルゴステロール(ビタミンD前躯体)、ミネラル、各種アミノ酸など滋養に富んだ成分が多く含まれており、内側から身体のキレイをサポートする。
日本では株式会社ミックマック(東京都港区)が販売総代理を務めており、BtoC向けでは子会社のリアルパートナーズ株式会社(同)、美容エステ向けでは株式会社クールプロジェクト(石川県野々市市)がそれぞれ販売を担当している。