ロート製薬、化粧品売上6割、医薬から化粧に業態変化
2015.07.10
編集部
ロート製薬は、スキンケアを中心とした化粧品の売り上げが2015年3月期で約6割に達するなど業態を医薬品事業から化粧品事業へと大きく変えている。スキンケアを中心とする化粧品の売上が全体の約6割を占めるなど稼ぎ頭になっているのが要因。
同社の前期(2015年3月期・連結)業績は、売上高1517億2400万円にのぼる。この内、国内の売上比率が約60%、海外約40%の割合。
前期での地域別売上高は、日本が消費税の反動で需要が減少したことなどから2014年3月期比1.5%減の903億円、米国は、個人消費の堅調な推移により回復基調が続き売上高前期比18.9%増の74億7,800万円。欧州は、スキンケア関連品が順調であったことに加え、当期に取得したポーランドの化粧品会社ダクス・コスメティクス社の増収が寄与したことなどから売上高が前期比31.7%増の63億2,200万円となった。
アジアでの売上高は、中国・上海の100%子会社エビステ―ム・トレーディングの会社清算による中国からの撤退などがあったものの前期比16.6%増の456億1,600万円となった。
エビステ―ム・トレーディングは、2009年3月に中国・上海に設立。上海、北京の高級百貨店でアンチエイジング領域のプレステージ化粧品「エビステ―ム」を日本から輸入・販売していたが欧米および日本の化粧品ブランドとの競争が激化したため、2014年3月末に営業を停止し、同年12月に会社清算した。
また、前期における商品・サービス別売上高は、目薬などアイケア関連が287億円、スキンケア関連1,019億4,600万円、内服・食品関連172億2,700万円、その他38億円となっている。
特に、スキンケア化粧品の中で、主力ブランドの肌ラボとオキシー合わせた年間売上高は、100億円に達しているほかオバジーも40億円の売上規模にあり化粧品全体の売上を牽引している。
これにより現在、国内外でのスキンケア化粧品売上高は、6割に達し、目薬などの医薬品売上を上回っている(表に2015年3月期の地域・製品・サービス別売上高を示す)。
このため、医薬品企業として100年以上の歴史を誇る同社の業態は、スキンケア化粧品の快走で、化粧品企業としての存在感を一段と増した。
1988年に買収して傘下に収めたメンソレータム社を海外のヘッドコーターにして今後、インドネシア、ベトナムなど海外子会社10拠点で、スキンケア化粧品を中心に一段と攻勢をかける方針。