ナールスコーポ、原料・化粧水販売好調、来期売上3億円見込む
2015.08.18
編集部
京都大発ベンチャーのナールスコーポレーション(京都府京都市)は、自社で開発した化粧原料「ナールスゲン」と同原料を使って商品化した化粧水「ナールスミントプラス」(写真)の販売が好調に推移している。原料、化粧水の販売に当たって有力な代理店やパートナーが協力して販売増を実現しているもの。2017年3月期の売上高は3億円に達する見込み。
ナールスコーポレーションは、京大で研究されていた生体機能ペプチドの阻害物質の発見や大阪市大でのヒト皮膚線維芽細胞内コラーゲン、エラスチンの産生発見がともに科学技術振興機構(JST)の最適支援事業(補助事業)に採択。2011年8月にエイジングケア化粧原料「ナールスゲン」として商品化することを受けて2012年3月に法人を設立。京大、大阪市大から技術移転を受けて事業化に乗り出した。
化粧原料ナールスゲンは、コラーゲンなどをつくり出す機能が低下した静止状態の細胞に働きかけて細胞を活性化させることで、コラーゲンやエラスチンをよみがえらせる機能を持つ。 特に、身体内部で産生することが特徴で、細胞内でのコラーゲンの産生量が2~3倍に、肌の張りに必要不可欠な成分エラスチンの産生量も1.5倍以上に増加することが確認している。
こうしたナールスゲンの特性が主力ユーザーの化粧品メーカーなどから評価されて受注が舞い込んでいる状態。「有力な代理店を通じて売り込み攻勢をかけているが反応は極めて良い。当社の原料を化粧品に配合して売り出す化粧品会社が多くみられるようになった」と強調する。また、ナールスゲンを原料に商品化した第1弾の化粧品「ナールスミントプラス」は、天然由来のハッカ油とエタノールの機能で角質層に浸透し、ハリ、つやのある健康な肌に導くのが特徴。
現在、ナールスミントの販売も全国の大手百貨店と相次いで取引を実現するなど尻上がりに好調。「現在、販売パートナーは、日興リカ、ジェイティーエスなど7社にのぼる。年内にも2~3社増えて10社体制になる見込み。引き続き、直接営業と合わせて販売パートナーとの連携を図りながらチャネルの拡大と商品の訴求力を図る方針」という。
こうした販売面での好調を映して原料と化粧品合わせた売上高は、今期(2016年3月期)1億円、来期(2017年3月期)3億円に乗せる見込み。法人設立して3年で売上の数値が見込める状況にある。
今後、ナールスゲンの抗酸化作用を生かした化粧品や医薬部外品の開発を一段と進めて高収益化を目指す。収益性、成長性いかんでは将来、新興市場への株式公開も視野に入ってこよう。
- 参考リンク
- 株式会社ナールスコーポレーション