トランス脂肪酸はそんなに悪くないかも

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2015.08.17

国際部

飽和脂肪酸とトランス脂肪酸の健康への影響についての検討結果が8月12日、「BMJ」オンライン版に掲載された。

飽和脂肪酸とトランス脂肪酸が死亡、心血管疾患とそれを原因とする死亡、冠動脈疾患とそれを原因とする死亡、脳梗塞、糖尿病に影響するかを系統的レビューとメタアナリシスという方法で検討した。トランス脂肪酸については、工業的に生産されたものと自然に存在するものとを分けて検討対象とした。

その結果、飽和脂肪には全死因死亡、冠動脈疾患による死亡、冠動脈疾患、脳梗塞、糖尿病の増加との関連は見られなかった。トランス脂肪酸全体では全死因死亡、冠動脈疾患による死亡、冠動脈疾患の増加との関連があった。脳梗塞と糖尿病に増加は見られなかった。さらに2つに分けて検討した場合、工業的トランス脂肪酸では冠動脈疾患による死亡と冠動脈疾患の増加と関連していた。自然の反芻動物トランス脂肪酸は、冠動脈疾患による死亡、冠動脈疾患の増加は見られなかった。

このことから研究者らは、飽和脂肪酸は死亡率や心血管疾患と関連があったが、その証拠は不十分とした。また、トランス脂肪酸ではおそらく、反芻動物トランス脂肪酸よりも工業的トランス脂肪酸でより死亡率、心血管疾患、冠動脈疾患と関連している。と述べている。

現在、アメリカでは飽和脂肪酸は総摂取エネルギーの10%未満、トランス脂肪酸は1%未満にするよう推奨されている。日本での推奨摂取量は特に設けられていないが、これらの結果からは飽和脂肪酸とトランス脂肪酸を特に恐れる必要はないかもしれない。

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