「グリーン地中海食」が内臓脂肪に効果

最新商品

2022.12.15

国際部

高ポリフェノールを加えた「グリーン地中海食」の内臓脂肪への効果を示した無作為化試験の結果が9月30日、「BMC Medicine」オンラインに掲載された。

地中海食は、さまざまな機序により脂肪症に効果を示すポリフェノールが豊富であることが知られている。今回の研究では、植物性ポリフェノールが2倍多く、赤身と加工肉が少ない「グリーン地中海食」の内臓脂肪組織(VAT)への効果を検討した。

体格指数31.2、内臓脂肪組織量29%の被験者294人を対象に(年齢51歳、男性88%)、18カ月間のDietary Intervention Randomized Controlled Trial PoLyphenols UnproceSsed(DIRECT-PLUS)減量試験を実施。被験者は、(A)健康的な食生活に関するガイドライン(HDG)遵守グループ、(B)地中海食グループ、(C)グリーン地中海食グループのいずれかに無作為化され、全グループが運動を併用した。(B)地中海食グループと(C)グリーン地中海食グループは同等のカロリーとし、どちらもクルミを1日28g摂取した(ポリフェノール440mg/日の増加)。グリーン地中海食グループはさらに緑茶(3~4杯/日)、およびミジンコウキクサの植物グリーンシェイク(フローズンキューブ100g/日)(800mg/日のポリフェノール増加)を摂取し、赤身肉の摂取を減らした。内臓脂肪組織への影響は、磁気共鳴画像(MRI)を使用した腹部脂肪組織の定量化によって実施した。被験者全体で、各食生活の継続率は89.8%、MRI計測の完了は79.3%だった。

その結果、両地中海食で同等のわずかな体重(地中海グループ-2.7%、グリーン地中海グループ-3.9%)および腹囲(-4.7%、-5.7%)の低下が達成されたが、内臓脂肪組織量の減少についてはグリーン地中海群で2倍と大きかった(年齢、性別、腹囲または体重低下とは関係せず:HDGグループ-4.2%、地中海グループ-6.0%、グリーン地中海グループ-14.1%)。緑茶、クルミ、ミジンコウキクサの摂取量高値、赤身肉摂取量低値、総血漿ポリフェノール(主に馬尿酸)高値、尿中ウロリチンAポリフェノール高値は内臓脂肪組織喪失増加と有意に関連した。植物ポリフェノール豊富で赤身および加工肉が少ないグリーン地中海食は、内臓脂肪減少を促進する強力な介入である可能性があることが示唆された。

#

↑