2013年3月期大塚ホールディングス営業利益トップへ

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2013.03.12

編集部

大手製薬各社の2013年3月期決算が出揃った。医薬開発費の上昇や特許切れに伴う開発の効率悪化に加え薬価改定、グローバル化の進展などで競争が激化。

こうした中で、製薬各社の2013 年3月期決算は、新製品の販売が寄与して総じて増収増益となった。しかし、海外企業買収で多額な投資を行った企業は、のれん償却が拡大し増益幅が縮小した。3月期決算で業績好調組として目立つのは、大塚製薬を傘下に持つ大塚ホールディングス(HD)の躍進。営業利益で業界首位の武田薬品を僅かながら上回った。また、第一三共は、主力製品の循環器と感染症薬の販売が奏功して大幅な増収増益となった。営業利益で増益幅を拡大した第日本住友製薬は、ノーベル生理・医学賞受賞京都大山中伸哉教授率いるiPS細胞研究所と共同で、創薬の研究開発に取り組むなど新薬開発を急ぐ。

業界トップ武田薬品の業績は、買収した「ナイコメッド」(スイス)の欧州、新興国での販売が寄与し売上高が前期比約500億円増の1兆5500億円と増収になる。しかし、買収に伴うのれん償却(ブランド、販売力、開発力などの資産価値)が拡大することや米市場で糖尿薬の販売が鈍化したことで前期比1000億円の営業損失になる。
Ⅰ兆円企業に躍り出た大塚ホールディングス売り上げの3割を占める抗精神症薬とポカリスエットなどの高機能性食品の販売が奏功し、営業利益1650億円と武田薬品の営業利益を若干ながら上回る。
循環器薬と感染症薬を主力とする第一三共は、2008年に5000億円で買収したインド・ランバクシーの後発医薬が増収に寄与。最終利益が前期比約400億円増の500億円に乗せた。
アステラス製薬は、過活動膀胱治療薬の宣伝効果が業績に貢献し増収増益を実現。買収した米ファーマシューティカルズ中心に抗ガン剤を主力商品に育てて行く。
田辺三菱は、9月に市場投入した糖尿病薬を第一三共と販売提携したことや医薬情報担当者を4000人体制にしたことが奏功し、増収増益を実現。
大日本住友は、失調症薬が好調で、前期に比べ営業利益を増やした。2012年10月に京大iPS細胞研究所と5年間の共同研究をスタート。難治性治療薬の開発に繋げる。塩野義は、高脂血症薬「クレマトール」が業績に貢献し営業増益に。(表に製薬各社の業績を示す)

主な製薬各社の2013年3月期業績

 

 

 

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