セブンアンドアイホールディングスの化粧品戦略(中) ~イトーヨーカ堂、旗艦店で高級化粧品を品揃え~

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2016.08.19

編集部

セブン&アイHD傘下でスーパー事業を行うイトーヨーカ堂も子会社「㈱セブン美のガーデン」(セブン&アイHDの孫会社)を介してPB化粧品事業を展開している。

㈱セブン美のガーデンは、前身の社名がセブンヘルスケアで、2009年6月にセブンアンドアイHDとアインファーマシーズが業務・資本提携して設立した。

設立の背景は、2009年6月の改正薬事法施行に伴う登録販売者制度の導入等により、調剤薬局やドラッグストア以外の小売業による一般用医薬品市場への本格参入が見込まれ、マーケットの拡大が期待されたことが主因。

このような状況の下、セブン&アイHDグループの強固なネットワークの強さとアインファーマシーズの調剤薬局としての専門性を活かして新たなビジネスモデルを構築するため、セブンヘルスケアを設立した。

2012年5月には、社名をセブンヘルスケアからセブン美のガーデンに変更。現在、イトーヨーカ堂が93%の株式を保有している。
セブン美のガーデンが化粧品事業に本格参入したのは、2015年8月にコーセーと共同開発したオールインワンタイプ・スキンケア商品「ネイチャーパーフェクト」を市場に投入したのが始まり。

ネイチャーパーフェクトは、時代の変化とともに女性の社会進出が増え、家事や子育て、仕事に忙しい毎日を送りながらも「いつまでも美しく輝いていたい」という前向きな女性をコンセプトに開発し、30代後半から40代前半の女性を対象に販売している。

セブン美のガーデン当初は、セブン&アイ通販サイトを中心に販売していたが、徐々に販売チャネルを拡大し現在では、セブン美のガーデン(写真)としてイトーヨーカ堂内に92店舗を有する化粧品、医薬品専門店として展開している。

化粧品の取扱についてもここへきて大幅に増やしている。特に、顧客の要望を受けて肌に優しい低刺激化粧品と自然派由来の化粧品を大幅に増やしている。

資生堂「クレ・ド・ポーボーテ」をはじめ、高級化粧品ブランド、「ちふれ」化粧品や富士フィルム「アスタリフト」など16の専門スキンケアブランドを揃えて販売している。
イトーヨーカ堂は、店舗での取扱品をこれまでの本部主導から、地域店独自の判断で行える個店主導型に改めた。
中でも店舗改修に伴って旗艦店での化粧品販売は、顧客の高級品志向を採り入れて国内大手化粧品メーカーのブランドを販売するなどの戦略を講じている。

個店の特徴を打ち出すために専門スキンケアブランドの導入は今後、さらに拍車がかかると見られる。

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