セブンアンドアイホールディングスの化粧品事業戦略(下) ~コンビニエステ事業浮上、全面否定~
2016.08.20
編集部
コンビニ店に加えてスーパー、薬局でもPB化粧品や大手化粧品各社の高級化粧品を販売するなど化粧品事業に力を入れるセブン&アイHDは、新たな事業としてコンビニエステ事業に乗り出す計画が浮上してきた。
観測筋によると、全国のコンビニ店舗内に顔や首などのマッサージ(施術)を行う施術室を設けて、OLや女性客等に施術サービスを行うもの。施術するコンビニ店を選んで試験サービスを行い、来年度中にも本格サービスに乗り出す方針。すでに、広告塔の男性タレントの名前も確定している。
同社は、コンビニ事業の基本計画について、「女性の社会進出に伴い、コンビニ1店当たりの客層の50%が女性客で占めるようになってきた。こうした時代の趨勢や顧客の多様なニーズに対応して店つくりを行うことを基本としている。コンビニでの化粧品販売強化もその基本計画に沿ったもの」と説く。
こうした中、セブン&アイHDが新たに「コンビニエステ事業に乗り出す」との観測が、ここへきて一挙に浮上してきた。
観測筋の話では「コンビニ店に気楽に立ち寄ってコンビニエステのサービス促進を図り、コンビニ店での化粧品を含む買い物の相乗効果を狙ったもの」と指摘する。
こうしたコンビニエステ事業についてセブンアンドアイHDは、美容経済新聞の取材に対して「多くのステークホルダーと協調しながら新規事業を考えている。現時点において、そのような事実はない」と社内担当部門が全面否定した。
しかし、同社がコンビニエステ事業を全面否定する中で、情報源や広告塔の男性タレント名がはっきりしていることなどから考えて、コンビニエステ計画の信ぴょう性は高いと見られている。
コンビニの有効活用と新たな収益効果を狙いとしたコンビニエステ計画が事実なのか、検討段階にあるのか、白日夢になる日は近い。