大正製薬、ドクタープログラム買収、通販事業とスキンケア強化(下)
2017.04.25
編集部
現在、大正製薬の研究開発拠点は、大宮工場に隣接する総合研究所を中心に展開する。総合研究所は、医療用医薬品研究開発部門の化学研究所、薬理研究所、薬剤研究所、安全性・動態研究所と、大衆薬研究開発部門のセルフメディケーション開発研究所、工業化の研究を行う生産性向上センター、これを支援する情報検索室などによって構成され、大衆薬および医療用医薬品の基礎、探索研究から開発研究までの研究が行なわれている。 こうした研究の中から大ヒット商品となった国内初の発毛剤「リアップX5」を生みだした。
大正製薬の動きの中でリアップの動向と合わせて機能性基礎化粧品「トリニティーライン」の強化が注目点。
「トリニティーライン」は、キョーリン製薬ホールディングス株式会社(東京都千代田区)の子会社で化粧品通販事業を展開していたドクタープログラム株式会社(東京都渋谷区)がセラミドのナノカプセル化技術やデリバリー技術などに力を入れて開発した機能性基礎化粧品。
キョーリン製薬ホールディングスは、子会社ドクタープログラムが機能性基礎化粧品「トリニティーライン」を中心としたスキンケア領域を主軸に事業展開しており、その販売経路の殆どが通信販売で展開してきた。しかし、キョーリン製薬ホールディングスは、本業である製薬事業との相乗効果が出にくいと判断、基礎化粧品事業の売却を決めた。
それを踏まえて大正製薬は、2016年12月にキョーリン製薬からドクタープログラムを買収して子会社化したもの。ドクタープログラムの株式の取得価額は、非公開。株式譲渡は、今年4月1日に実行された。現在、トリニティーラインの事業は、大正製薬の手に移っている。
大正製薬では現在、健康食品を主力とした通販事業を展開しているが、トリニティーラインの若年層を中心とした顧客を新たに通販顧客として取り込むことで、セルフメディケーション事業の成長領域と位置付けている通販事業の顧客層の拡大とスキンケア領域の強化を目指す。
※本文中に一部、誤りがありましたので、訂正させて頂きました。