資生堂、2017年12月期Q3は170億円の赤字に転落

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2017.11.10

編集部

株式会社資生堂(東京都中央区)は9日、2017年12月期第3四半期の売上高が前年同期比17.4%増の7312億100万円、当期損失が169億5800万円となったと発表した。すべての地域で増収となったものの、Bare Escentuals, Inc.に係る無形固定資産等の減損損失を特別損失として707億円計上したことなどが影響した。

セグメント別の業績を見ると、日本事業では、中高価格帯のブランドが好調を継続していることに加え、しわを改善する『エリクシール』美容濃密リンクルクリーム(6~9⽉出荷売上102万個)のヒットや、中国のお客に対する積極的なボーダレスマーケティングの実施により拡大するインバウンド需要を着実に獲得したことなどから、売上成長がさらに加速し、売上高は前年同期比11.8%増の3205億円となった。

中国事業では、『SHISEIDO』『クレ・ド・ポーボーテ』『イプサ』などのプレステージブランドが高成長を維持したことなどにより、売上高は現地通貨ベースで前年同期比20.8%増、円換算後では同21.3%増の1054億円となった。

米州事業では、ブランドの再構築に取り組んでいる『bareMinerals』の売上が、大手百貨店の閉店影響やスペシャルティストアでの競争激化などにより前年を下回った。一方、前期に取得したブランド『LauraMercier』の上乗せがあったことから、売上高は現地通貨ベースで前年同期比6.2%増、円換算後では同9.5%増の984億円となった。

欧州事業では、フレグランスブランドの『narciso rodriguez』が牽引し既存ブランドが成長したことに加え、前期にライセンス契約を締結した『Dolce&Gabbana』が上乗せとなったことにより、売上高は現地通貨ベースで前年同期比31.1%増、円換算後では同34.8%増の873億円となった。

Bare Escentuals, Inc.については、『ベアミネラル』がナチュラルコスメティクス市場において⽶州で認知率78%、顧客基盤1200万⼈以上と極めて⾼いブランドエクイティを有することから、成⻑ポテンシャルおよび重要性は⾼いと判断。ブランド再⽣に向けた取り組みとして、不採算店を中⼼に100店規模の直営店閉鎖のほか、ミレニアル、ジェネレーションZとのコミュニケーション強化などマーケティングを改善するなどして優先課題を明確化し確実に実⾏する。

2017年12月期通期の売上高は前回予想のまま9850億円に据え置くが、当期純利益は前回予想の100億円から50億円に下方修正した。

参考リンク
株式会社資生堂

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