化学遺産に花王など4社が認定

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2017.12.21

編集部

日本化学学会の第8回化学遺産認定制度で、花王株式会社(東京都中央区)、株式会社ライオン(東京都墨田区)、株式会社資生堂(東京都中央区)、株式会社クラブコスメチック(大阪府大阪市)4社の近代化粧品工業の発祥を示す資料や化粧品等が認定された。
同学会の「化学遺産委員会」は、2009年度から新たに世界に誇る我が国の化学関連の文化遺産を認定し、認定した情報を社会に向けて発信する「化学遺産認定事業」をスタート.以来、2017年3月で8回を数え、これまで累計43件を認定した。

第8回の認定には、化粧品分野の歴史的な資料等が初めて認定された。認定されたのは、花王関係資料として石鹸分析証明書と調合帳(写真)の2点、ライオン関係資料として製造日記1点、資生堂関係資料として福原衛生歯磨石鹸(固形石鹸状の練歯磨き)、化粧水、美髪剤の3点、クラブコスメチックスがクラブ洗い粉1点、4社合わせて7点が認定された。
認定された7点は、いずれも近代化粧品工業の発祥、発展を示す貴重な資料や商品ばかりで歴史的価値が高い。
同学会では、2018年3月の第9回認定では、3件を認定する予定で、化粧品関連が認定の対象に選ばれるか注目される。

現在、こうした歴史や文化などの遺産を認定する制度として、同学会の化学遺産や経済産業省の近代化産業遺産、科学博物館の未来技術遺産などがあり、一部の商品は2つの遺産制度に認定されるなど混合玉石の状況にあり、整合性を採ることが必要といえる。

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