米国の顔面インプラント術訴訟件数、10年で39件

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2018.01.30

国際部

米国における顔面インプラントに関わる裁判事例の分析結果が1月18日、「JAMA Facial Plastic Surgery」オンラインに掲載された。

分析は横断研究により顔面インプラント後の合併症のレビューで行った。データはFDA(米国食品医薬品局)に提出された医療機器レポートを含む「Manufacturer and User Facility Device Experience」、および訴訟に関してはトムソン・ロイター・ウェストローの法律データベースから検索・特定した。その結果、2006年1月から2016年12月までにFDAに報告された顔面インプラント関連の有害事象39例が確認された。症例の多い順に16例(41%)が頬へのインプラント、12例(31%)は顎へのインプラントだった。最も一般的な合併症は、感染(18例、46%)、インプラントのずれ(9例、23%)、腫れ(7 例、18%)、および圧出(4例、10%)だった。 32人の患者(83%)がインプラントを除去しなければならなかった。公的に入手可能な判例から特定した12件の医療過誤事例では、インフォームドコンセントが不十分であり、追加の外科的介入(インプラントの除去)を必要とするという訴えが最も多かった。

有害事象として多い感染症、インプラントのずれや圧出はほとんどの場合、インプラントの除去を必要とする。十分なインフォームドコンセントがあったかどうかは訴訟にかなりのウエイトを占めるため、これらの有害事象に対する術前の患者との話し合いは必須であることが示唆された。損害賠償で解決を見た事例では、多額の賠償金が支払われている。

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