花王とホーユー、染毛剤技術の特許侵害訴訟で和解成立
2013.07.3
編集部
花王とホーユー株式会社(名古屋市東区)は7月3日、両社間で生じている泡状染毛剤に関する特許権侵害訴訟について、6月28日に和解が成立したことを発表した。両社が「紛争を長期化させることは、業界の健全な発展を阻害する」と判断し、和解に至った。ホーユー側が製品改良を行い、和解金を支払うことで、ホーユーが特許庁に起こしていた無効審判を取り下げ、花王は東京裁判所に起こしていた特許権侵害訴訟を取り下げる。合意の詳細は契約上の守秘義務により非公表。
2011年7月、ホーユーが製造・販売する泡状染毛剤「ビゲン ヘアカラーDX クリーミーフォーム」が花王の保有する特許権を侵害するとして、花王が東京地方裁判所に仮処分の申し立ての訴訟を起こした。この特許権は、「ノンエアゾール型の容器を用いた2剤式泡状染毛剤」の技術に関するもので、花王グループのビューティケア事業を支える重要な知的財産権の柱となっている。2012年2月、同地裁は花王の申し立てを認め、花王はさらにホーユーに対し損害賠償請求を起こしていた。
一方、ホーユーは2011年9月に特許庁に対し、本件特許権に対する無効審判を請求。特許庁は2012年9月に、無効であるとの審決を下した。花王はこれを不服として知的財産高等裁判所に審決取消訴訟を提起するなど、両社間の状況はドロ沼化していた。