太田油脂、えごま油が皮膚の光老化進行を抑制する可能性も
2018.06.20
編集部
植物油を製造する太田油脂株式会社(愛知県岡崎市)と東京工科大学は、日本薬学会第138年会(3月25日~28日開催)において、えごま油による皮膚の光老化進行抑制作用について研究成果を発表した。
同社は、1988年に日本で初めてえごま油の食用化に成功し、現在も健康オイルとしてえごま油の製造・販売を行っている。えごま油には「皮膚の健康維持を助ける栄養素」であるn-3系脂肪酸(オメガ3脂肪酸)が豊富に含まれることで美肌効果に期待が高まっているが、さらなる機能性を探るため東京工科大学との産学連携に取り組んだ。
今回の研究では、太陽光線を浴びた際のえごま油による皮膚細胞の老化抑制効果を検討した。皮膚のシワやたるみなどの老化には、生理的老化と光老化がある。光老化は太陽光線を浴びることにより、老化因子である活性酸素種(ROS)が細胞内に生じることで進行する。
研究の成果としては、えごま油は表皮細胞に太陽光線に含まれる紫外線B波(UVB)を照射した際の細胞内ROSの増加を抑制することにより、真皮繊維芽細胞のコラーゲン合成量の低下を有意に抑制することを明らかにした。つまり、えごま油を皮膚に塗布した場合、UVBによる表皮細胞のダメージを緩和し、光老化の進行を抑制する可能性が示唆されたとしている。
今回発表した内容は、5月に特許を出願済み。
- 参考リンク
- 太田油脂株式会社