【連載】大手化粧品会社の研究(55)ビタミンC60バイオリサーチの会社研究 ~フラーレンの安全性等が評価され、約2000品目の化粧品に採用~(下)

2018.10.17

特集

編集部

ビタミンC60バイオリサーチが2005年に商品化第1号の水溶性フラーレンを市場投入して以降「未知の化粧原料」として懸念される中、効果効能に関する豊富なエビデンスや安全性に対する積極的な取り組みがユーザーから評価されて美容皮膚科、形成外科などからオリジナル処方の化粧品として採用が相次いだ。
「未知の化粧品原料」でありながら、発売直後から美容皮膚科などから採用が相次いだのも、こうした効果効能に関する豊富なエビデンスの取得や安全に対する積極的な取り組みが奏功したためだ。
現在では、累計約1500件以上のクリニックが採用。また、一般化粧品として化粧品メーカー中心にエイジングケアには、欠かせない美容成分として自社の化粧品にフラーレンを配合するケースが急増。これまで、化粧品メーカー等がフラーレンを配合した化粧品品目数は、約2000アイテムを超えた。現在でも毎月3~5品目のペースで採用されており、化粧原料として定着している状況にある。

同社は、ユーザーである美容整形やクリニック、化粧品メーカーなどがフラーレンを規定値(1%)以上配合した化粧品であることを証明するため取扱説明書やパッケージ等に規定のロゴマーク(登録商標=写真)を付与することを推奨するなど、知的財産権としてフラーレンの啓蒙と差別化を図っている。

一方、フラーレンの海外販売については現在、韓国・台湾・中国・タイ・シンガポール・マレーシア・米国・カナダ等で販売している。
特に、美白志向が高くスキンケアを重視する傾向があるアジアから注目を集めており、すでに韓国の化粧品会社「LG生活健康社」が採用した。また、米国では、マドンナの主治医としても著名なカリスマ皮膚科医「フレデリック・ブラント氏」の高級機能性化粧品ブランドで採用され現在、米国内の高級化粧品専門店などを中心に販売している。
同社は、引き続き、販路開拓を強化して将来的に海外での売上構成比を5割程度まで拡大する方針。

現在、フラーレンを応用した医薬品や医薬部外品などの商品開発に向けてさらに、研究に拍車をかけており「ライフサイエンス」全般に関わる原料としてフラーレンの地位確立を一段と目指す考え。

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