【連載】この中小化粧品会社に注目⑩ブルーム・クラシック(下)~純資産重視の経営展開、働き方改革も推進~
2020.09.9
編集部
ブルーム・クラシックの経営理念は「従業員の物心両面に拠る幸せの追究」と「美と健康を通して社会に貢献していく」ことの2つを経営の理念として定めている。これを記した「フィロソフィ手帳」をグループ社員向けに作り、手帳を通じて会社の夢やビジョンを共有している。
同社の2019年度における業容は、資本金1億円、グループ従業員数692名となっている。現在、資本金1億円の会社は、法人税法上、中小企業として定義され、税務上、法人税率の低減などの優遇策が適用されている。
同社の経営上のこだわりは、社会の変化に対して安定した経営を実現する鍵となる「純資産を重視した経営」を企業の価値として評価している。多くの企業が売上高や営業利益を経営目標に掲げる中で、純資産を増やしていくために売上や利益目標を設定している点に特異性がある。
2019年度における同社の業績や資産状況は、国内OEM事業、エステ事業に加えてフランス、シンガポール、マレーシアなどに設立した5つの美容卸子会社に拠る海外事業を合わせた売上高(連結ベース)が76億3000万円、総資産(流動資産、固定資産、繰延資産の合計額)182億2000万円、純資産(資本金、資本剰余金、利益剰余金等の資産合計額)119億3000万円となっている。
ちなみに、2016年度は、売上高が62億4000万円、総資産153億4400万円、純資産90億5200万円となっており、2019年度は、2016年度と比べて業績、資産とも増え、堅実経営を証明している。
同社は、ここへきてグループ社員を対象とした「ブルーム・クラシック行動計画」を策定し働き方改革に乗り出している。
社員が仕事と子育てを両立させることができるワークライフバランスを推進するための行動計画を策定しスタートさせた。
計画期間は、2020年4月1日から2025年末日までの5年間。計画の内容は、計画期間内に女性社員の育児休業取得率を80%以上にすること。そのための施策として妊娠した従業員に対し、育児休業の取得方法等について積極的に説明とアドバイスを行い、休業の取得率の向上と妊娠による退職等を防ぐ。また、小学校入学前までの子を持つ労働者の時間外労働の制限を周知することにより、育児中の従業員がより働きやすい環境を作ることにした。 いずれも社員が生き生きと働ける職場・雇用環境を作ることで、より生産性を高め、収益の向上に繋げる狙い。