【連載】この中小化粧品会社に注目㉑五洲薬品(上)~海洋深層水を化粧品開発に応用~

2020.11.2

特集

編集部

医薬品・化粧品等のヘルスケアメーカー五洲薬品株式会社(富山県富山市)は、海洋深層水と微細化昆布等を活用した高機能スキンケアの研究開発に取り組んでいる。

同社は、深層水と深層水活用の化粧品開発について2つの研究開発に取り組んでいる。
1つは、コンブ巻き作業時に出る昆布の機材をペースト状にしてパックに利用できないか研究してきた。試作品を開発したが、保湿効果が極めて高く肌荒れの改善に効果があったものの臭いが強烈であったことから商品化を見送った。
現在は、昆布をナノ化・微細化することを考えウォータージェット技術を保持するスギノマシンに協力を仰ぎ、肌に浸透しやすくなる大きさの調整を依頼した。試作品のモニタリングでは、評価が低かったことから、商品化に向けて改良を進めている状況にある。
2つ目の研究開発は、IPS細胞など人の幹細胞を培養する溶液を富山湾の海洋深層水から作り、その培養液を利用して高機能性化粧品を実用化する野心的な取り組み。
海洋深層水活用の化粧品開発は、経産省の補助事業「戦略的基盤技術高度化支援事業」(2010年度サボイン事業)に認定されて研究開発に取り組んだ。
特に、化粧品研究については、化粧品業界にあって科学的エビデンスのある皮膚疾患効果の早い化粧品のニーズがあることから商品化を目指すもの。

研究概要は、富山湾海洋深層水等の張液の各種ヒト細胞への培養効果検証及び海洋深層水の生理活性物質と培養効果の「オミックス解析」(ゲノム情報を基礎として生体を構成しているさまざまな分子を網羅的に調べていく方法)により、培養再現性が高く量産化できる研究用細胞培養液の開発及び皮膚疾患力が速い高機能性化粧品の開発を行う。
これまでの研究開発では、培養液の開発についてメドをつけたものの製品としての完成までには至っていない。
現在は、戦略的な研究として従来の動物の血清由来の培養液に深層水のエッセンスを添加して培養液の性能を上げる溶液の開発に舵をきった。また、その培養液を化粧品に応用する研究を行った。乾燥によるシワの改善と美白効果のある化粧品開発にメドをつけたとみられる。

しかし、海洋深層水を使った再生医療の研究分野における高機能化粧品の開発は、具体性に欠ける。
再生医療は、,医学分野にとどまらず化粧品においても肌再生や次世代のエイジングケアとして注目されている。化粧品事業を強化するために補助金を活用して研究開発に取り組む動きは、化粧品事業の強化に尽きる。だが、具体的な商品化の動きや機能化を検証する実証データ(エビデンス)が見えない。今後の実用化の具現化に期待が高まる。

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