【連載】この中小化粧品会社に注目㊸ヌ-スフイット(下)~ISO 取得、経営革新計画認定~

2021.03.9

特集

編集部

ヌ-スフイットの信用力を高める1つの指標となっているのが、環境に関わる品質認証「ISO19000」(2017年認証取得)の取得。
同社がISOの必要性を考える契機になったのが海外との毛髪剤取引による与信。「ISO認証を取得していれば、企業の評価対象になる」との考えによる。

認証取得にあたって同社は、ISO専門認定機関に依頼して第三者認証を実施した。社員の品質や環境等に関する意識改革を徹底することが狙いだった。
同社は、2016年5月からISO取得の研修を開始、同年9月にキックオフした。品質マニュアルの作成や詳細な規定集つくりに時間を要したものの、登録したのは予定通り2017年3月と短期間での取得を実現した。

同社は、アミノ酸の挙動を踏まえて損傷の少ないパーマ液や毛髪で培った技術は、肌の弾力を維持することにも応用展開して新スキンケア開発に繋げた。
この新スキンケア開発と合わせてISO 認証取得や笠目新工場の建設などを盛り込んだ「経営革新新計画」の申請を行い2019年4月に認定をうけた。
政府の助成制度「経営革新計画」は、中小企業が新製品の開発や生産、新サービスの開発・提供などの新たな取り組みを行い、経営基盤の強化に取り組む経営計画について公募審査を踏まえて自治体から承認を受ける補助金制度。
承認を受けた企業は、その計画達成の支援策として政府系金融機関中小公庫等からの融資、信用保証枠の認定、販路開拓等の支援を受けることができる。

同社にとって経営革新の事業認定は、金融機関からの資金調達が容易になるなど特に金融面での恩恵は大きいとみられる。

同社は現在、スタイリング剤やカラー剤、化粧品などの製品を主に代理店を通じて理美容サロンに卸販売している。
しかし、化粧品の拡販にあたってパーソナルユース向けの販売チャネルの強化についての取り組みが見えない。

法人化して21年になるが一般ユ-ザー向け販売強化策をどう描いているのか、輸出面の強化策と合わせてパーソナルユースの具体的な販売戦略が求められている。

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