【連載】この中小化粧品会社に注目(64)シロ(下)~国内外で出店攻勢、ブランドの浸透図る~

2021.06.11

特集

編集部

シロは、国内直営店舗を開設する中で、新たな業態の店舗も推進している。2020年3月に「人はいないけど、愛がある」をコンセプトに、スマートフォンを駆使した新感覚デジタルストアの「シロ セルフ」(SHIRO SELF)を「ルミネエスト新宿店」に併設した。
新業態店の「シロセルフ」は、対面接客をしない代わりにスマートフォンが製品の情報や使い方などを声や画面でサポートし日本語、英語対応も行う。

消費者のスマートフォン使用による化粧品購入の仕方は、店のQRコードからSHIRO SELFストアサイトにアクセスし、製品のQRコードを撮影すると詳しい説明が聞けて画像が表示されるなど接客を受けているような感覚で買い物ができる。
同社は、これからの国内店舗展開について「売上を拡大していくため、単に出店攻勢をかけていくという考えは持っていない。1つひとつの直営店舗をしっかりと育てながら、顧客に少し遠くても足を運んでもらう価値のある店づくりを行っていくことを基本とする」と説く。

一方、海外での販売にも注力する。現在、海外での直営店舗は、ロンドン3店舗とニューヨーク1店舗の計4店舗に上る。いずれもブランドを代表する「サボン」などのフレグランスのほか「酒かす化粧水」、「タマヌクレンジングバーム」をはじめとしたスキンケア、「ジンジャーリップスティック」など素肌をケアしながら美しく見せるメイクアップなど日本と同様の製品を展開している。

ここへきてアジア圏初の進出・台湾で公式ECサイト「シロ台湾公式オンラインストア」を2020年10月からオープンし製品販売をはじめた。
台湾でのEC サイト開設は、台湾において日本のオンラインストアへのアクセス数が日本、米国に次いで3番目に多いことなどからサービスをスタートしたもの。また、米ニューヨークでも2020年11月からECサイトのサービス展開を始めており、新しい形でのグローバル展開を推進している。

同社は、海外展開ついて「自社ブランドを浸透させるためには、受け皿となる直営店が必要」として海外店舗を2025年までに現在の4店舗から22店舗へ拡大する計画。しかし、コロナ禍で出店計画が思惑通り進展するか、不透明だ。

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