【連載】この中小化粧品会社に注目(65)パス(下)~1年以内にも新規コスメの第二弾販売へ~

2021.06.22

特集

編集部

パスは、新規コスメの開発に力を入れる。子会社マードゥレクスを通じて新コスメの第一弾として2021年4月に「バブルショット」(写真)を開発し、通販市場に投入した。
バブルショットは、炭酸濃度と肌に浸透しやすいビタミンナノ化エマルジョンを配合したスキンケア。
エステ級のケアが自宅で手軽にできる「エッセンスクリアフォーム」(パック・洗顔料)と「エッセンスコンク」(パック・美容液)の2アイテムを商品化した。
引き続き、パスは、新商品開発の第二弾としてマードゥレクスと研究開発会社「アルヌール」(連結決算対象の子会社)が共同で微細藻を由来とした有用成分「フコキサンチン」を配合したスキンケア商品の開発に取り組んでいる。

パスは、2020年11月に微細藻培養から有用成分を抽出し、自社の化粧品開発や国際原材料市場への進出などを狙いに100%出資でアルヌールを設立した。
特に、微細藻由来有用成分は、美容用途をはじめ抗肥満、抗酸化、抗腫瘍など医学的にも様々な有益な作用が確認されているにもかかわらず、大量生産培養技術の難しさ等から産業的な活用や広がりに至っていないのが現状。

こうした状況の中で、パスは、永年バイオケミカル分野で経験と実績を培った専門技術者が社内にいることを強みにして「微細藻類の完全閉鎖型培養技術とノウハウを駆使して安定性ある事業展開ができる」と判断、微細藻由来有用成分の供給体制を構築し、それらを競争力とした化粧品の新規開発を行う事で、事業規模の拡大を目指すことにした。
現在、アルヌールとマードゥレクスの子会社2社は、微細藻を由来とした有用成分「フコキサンチン」を配合したスキンケア商品の開発に取り組んでおり、この1年以内にも「フコキサンチン シリーズ」として販売を予定している。

パスは、新規商品の投入で今期(2022年3月期)売上高は、前期比10憶円増の約32憶円と増収を見込む。が、営業利益、最終損益とも前期同様、赤字の見通し。

ところで余談になるが、パスという会社は、どのような事業を行っている会社なのか、社名を一見しただけではわからない。表向き「通信販売事業」を行っていると公言するも深堀して初めて化粧品事業を行っている会社だと知る御仁が多い。

現在、買収した子会社「マードゥレクス」が化粧品の製造販売や化粧品の新規開発等を行い、パスの売り上げ22円の大部分をマードゥレクの売り上げで占めている。

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