化粧品OEM・ODM各社の「ユーザーニーズに対応するわが社の事業展開」【17】ハーバーの事業提携部マネージャー荒神和将氏に聞く(下) 事業提携部、OEM推進、中期OEM 売上約6億円目標~
2014.10.23
編集部
株式会社ハーバー研究所(東京都千代田区)は、経営方針としてOEM(相手先商標生産)強化を対外的に公表したのは、2007年11月の株主説明会が起源。同時に、法人営業部門を中心にOEM営業活動を開始。さらに2009年には、営業本部内にOEM営業や法人企業の自社ブランド(PB)開発に関わる営業専門部隊「事業提携部」を設置、OEM強化をより鮮明にした。そこで、事業提携部発足5年を機会に事業提携部マネージャー荒神和将氏(写真)に同社のOEM事業の現状と展開について聞いた。
―営業本部内に事業提携部を組織した目的や狙いから伺いたい
「事業提携部は、今から約5年前に立ち上げましたがそれまでは法人営業部門が担当していました。しかし通信販売に比重をかけた販売チャネルでは先行き、新商品投下に限界があることやOEM営業をより強化する目的で、今年9月に営業本部の傘下組織としてOEM営業、法人関連業務を担当する独立した部門「事業提携部」を立ち上げたもの。同部は、販路拡大と工場の生産性向上に繋げ更なる飛躍を図ることをミッションとしています」
―社内のOEM体制はどのようになっていますか
「当社は、次世代の素材や商品開発を行う生命科学研究所を中心にOEM、PB商品の技術開発を行っているほか苫小牧と成田に工場を持ちOEM生産しています。2工場には、70Lから4tまでの真空乳化釜を複数台導入し、顧客ニーズに合わせたロット数で生産対応を図っています。また、私どものOEM営業担当者も同研究所で開催する研究開発会議に参加し、常にOEM先に企画開発を提案できる商品・技術の情報収集に努めています」
―OEM受注は、提案力が大きな鍵になりますね
「OEM受注先として化粧品・栄養補助食品分野に新規参入する法人企業やPB商品を開発する計画を持つ法人企業をターゲットに当てて営業活動を展開しています。ただし、当社の無添加・安全主義の経営理念に共感を持つ法人企業のみと契約を交わすことが原則で、当社の研究所で開発した技術をOEM先にも同じスペックで提案しています。また、当社は、独自の通販、ネット販売、直営店、百貨店卸、食品関連子会社など多チャンネルの販売ネットワーク網を持ち、これらのチャネルから集まった情報を商品作りに生かしてOEMの企画・開発に反映しています。こうした製販一貫メーカーとしての強みを前面に押し出しながらOEMの受注獲得に繋げて行く方針です」
―OEMの売上規模は直近で、どのくらいに達していますか。また中期目標は
「OEMの売上は、前期(2014年3月期)2億5,000万円、今期(2015年3月期)2億8,000万円を計画しています。引き続き、展示会やマッチングイベントなどに参加し、当社のOEM事業をアピールしながら顧客を取り込んで行く考えです。中期的には、今期売上計画の倍を目標としています」