連載・異業種から化粧品分野に新規参入した上場各社の化粧品事業に迫る【8】セブン&アイ、ファンケルとスキンケア共同開発、1万7千店舗で販売(上)
2014.12.24
編集部
セブン&アイ・ホールディングス(東京都千代田区、代表取締役社長村田紀敏氏)とファンケル化粧品(代表取締役社長山岡万佑子氏)の両社は、スキンケア化粧品ブランド「ボタニカルフォース」(写真)を共同開発し、2014年11月から「セブン‐イレブン」加盟店(11月末時点1万7,013店舗)やそごう・西武(一部店舗)などのセブン&アイグループ約1万7,250店舗で販売を始めた。
「ボタニカルフォース」は、ファンケルの無添加技術とノウハウを活用して開発した基礎化粧品で、セブン&アイにとって初の自主企画(プライベートブランド=PB)商品。美容オイルクレンジング、美容クリーム洗顔料、美容化粧液、美容乳液など7品目をラインアップした。
いずれも20代から40代のナチュラル志向の女性をターゲットに開発したもので、ファンケルの「無添加処方」にアルガンオイル、ローズヒップなど植物由来の美容成分「ボタニカル処方」を加えたのが特徴。年間20億円の売上を目指す。
両社が無添加化粧品を共同開発した背景には、セブン&アイ側として「食品と同じで、肌につける化粧品も安全安心が第一。消費者からも無添加や無着色への要望は強い」ことに加えて「コンビニ加盟店の収益向上に繋げる」のが狙い。
セブン&アイが行った女性の購買調査によると「コンビニや総合スーパー(GMS)、百貨店を使い分ける消費傾向がみられる。従来、若年層男性が中心だったコンビニの客層もここへ来て変化を辿り、過去5年間で女性客の割合は約41%から約49%に増加。最近では、仕事帰りの女性客が上質の化粧品を購入する機会が増えている」と分析。
こうしたコンビニでの女性客の購買意識調査を踏まえて肌に優しい無添加化粧品を商品化することで、女性の消費ニーズに対応し合わせてコンビニ店の売上拡大を図ることにした。
同社は、販売に先立って加盟店約1万店を対象に推奨品「ボタニカルフォース」の商品知識や特徴などについて勉強会を実施。同時に、加盟店から化粧品のニーズや売れ筋情報などを聞いて分析するなど満を持しての販売となった。
一方、ファンケルは、今年4月からローソンの売り場面積の拡大やドラッグストア約6,000店への卸販売も始めるなど流通分野での販売を強化している。特に、化粧品のマーケットが変化する中で、セブン&アイの販売ノウハウによって無添加化粧品の存在価値を知ってもらえる良い機会となる。そうした機会を創出していくことがファンケルの流通戦略にも繋がるとの考えによる。
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