【連載】化粧品各社のイノベーション研究【16】ノエビア③ ~企業の社会貢献活動「CSR」活発化~

2016.03.25

特集

編集部

ノエビアHDは、環境や社会への貢献などCSR活動に活発に取り組んでいる。環境への取り組みとして、ノエビアHD傘下のノエビアと常盤薬品を中心としたグル-プ会社が、全国の販売店と連携して使用済み容器のリサイクル活動を行なっており、2015年6月末現在のサイクル量は約60トンに達した。また、ノエビアグリーン基金を設けて、アルピニストの野口健さんが取り組むヒマラヤの子供たちのための学校作りプロジェクト「マナスル基金」に寄付。さらに、児童・青少年の健全な育成やスポーツの発展、普及に寄与することを目的にノエビアグリーン財団を設立。青少年の健全育成やスポーツの振興に取り組む団体及び日本を代表するジュニアスポーツ選手の育成などに助成金を交付する活動を行っている。自然環境の保護を目的とした子供対象の環境教室にも取り組んでいる。

ノエビアスタジアム神戸地域との関わりを持つ活動も活発だ。2013 年3 月から兵庫県神戸市が所有する「神戸ウイングスタジアム」(愛称・ノエビアスタジアム神戸=写真)の命名権(ネーミングライツ)を取得し、地域に根ざすスポーツを通して夢や感動をサポートしている。
同社は、命名権について今度、2016 年3 月1 日から2019 年2 月28 日までの3 年間の命名権契約を更新。同時に、2016 年シーズンよりJ リーグ“ヴィッセル神戸”の公式試合用ユニフォーム袖部分にノエビアのロゴ掲載を始めるなど、企業イメージの向上を図っている。

企業の社会貢献活動「CSR」は、企業にとって利益を追求するだけでなく組織活動が社会に及ぼす影響に責任をもちながら、消費者、投資家、市民・団体などあらゆる利害関係者(ステークホルダー)からの要求に対して、適切な意思決定をすことを指す。
CSRは、企業経営の根幹において企業の自発的活動として社会とともに、企業自らの永続性を実現して行く活動のこと。

最近では、企業の社会性を重視する投資が活発だ。機関投資家や個人株主の間で、企業の環境や社会への貢献で企業に投資する「ESG投資」(Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治))の頭文字)と呼ばれる手法が広がっている。
株主や機関投資家が表に現れる企業財務を評価して投資を行うのに加えて、企業の環境会計など環境・社会貢献を評価して投資するもの。

ノエビアグループの事業活動が時空を超えて広がる中で、多くのステークホルダーに対して社会貢献企業として認知させて行く努力と情報公開が引き続き必要だ。

 

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