【連載】化粧品各社のイノベーション研究【21】銀座・トマト② ~メーカー開発者、原料専門ディーラー等に販促強化~
2016.04.19
編集部
銀座・トマトは、自社開発した化粧品・食品用の原料・素材として、植物性プラセンタ「バラプラセンタ」に加えて「バラカルスエキス」(化粧用)や「ジュラシックフローラ」(化粧用)、「ふかヒレコラーゲン」(食品用)、「本真珠粉末」(化粧用、食品用)、「ダマスクローズオイル・ローズ水」(化粧用、食品用=写真)などの原料を現在、6品目市場に投入している。
この中で、天然抗酸化物質のバラカルスエキスは、ダマスクローズの幹細胞から作ったアンチエイジング素材。
バラカルスエキスの特徴は
①酸化ストレスなど抗酸化作用からの防御
②湿疹、乾せん、ニキビなど肌の炎症にも効果を発揮する抗炎症作用
③水和作用による肌の柔軟性、弾力性、肌の透明感など。
バラカルスエキスは、幹細胞(カルス)が持っている未分化の状態で増殖し、細胞分裂する「自己複製能力」と、さまざまな組織細胞に変化する「分化能力」に注目し、バラプラセンタと同様に細胞から働きかける幹細胞由来の美容成分として開発した。
ジュラシックフローラは、海洋薬泥の「シーシルト」から抽出した濃縮エキス。海洋薬泥は、高分子有機酸の「フミン酸」(高分子物質)や「フルボ酸」(腐食物質)をはじめミネラル、アミノ酸などを含有した希少性を特徴とする成分。
同社は、フミン酸、フルボ酸含有のジュラシックフローラをヘアケア商品に応用するため、毛髪の成長を促進させる因子「VEGF」やインスリン様成長因子「IGF-1」が細胞内で増加することを試験で解明した。
この結果、毛髪生長期を起動して活性化し、正常な毛周期サイクルが期待できることに燭光を見出すとともに、様々な水系製剤に配合する道を開いた。
ダマスクローズオイル・ローズ水は、オーガニック認定のダマスクローズのみを使用。バラの花を水蒸気蒸留法で蒸し、その蒸気を集めて自然分離した上澄みをローズオイル、下層の水溶液をローズ水として利用する。
こうした原料の販売について同社は、現在、直販とディーラー卸を中心に展開しており、「国内外の展示会などを通じてメーカー開発者への情報提供や化粧品原料専門ディーラーとの関係強化に努めている状態」という。
原料販売の海外展開については、韓国・タイ・中国・台湾・香港・マレーシア・ベトナム・インドネシアなどアジア 各国やドイツ・イギリス・スイスなどヨーロッパ各国などにも現地代理店を通じて販売している。
現在、ハラル認証(イスラム認証)の取得準備に入っており、一段と訴求力を図りながら海外での拡販に取り組んで行く方針。