【連載】化粧品・美容関連ベンチャー企業の成長軌跡【3】ラビプレ② ~障害者の雇用創出に意欲を注ぐ~

2016.07.15

特集

編集部

自社開発の化粧品は、リンゴ成分にプロテオグリカンを配合することで、化学物質の使用を抑え、保湿効果もアップさせたことが特徴。現在、ネットショッピングを中心に販売するとともに一部、化粧品専門ショップでも取り扱いを始めている。

同社は、このプロテオグリカン配合化粧品の生産販売や甘草などの漢方・生薬栽培などを通じて障害者の雇用機会創出を図って行く計画。

今後の目標として美容製品の製造ラインを導入した工場を青森県に設立し、障害者を雇用する構想を立てている。「先ず隗より始めよ」とばかり、PGクリームの売上げの一部を(社)あゆみの箱に寄付するプロジェクトを始めている。

このプロジェクトプランについて同社は、(財)川崎市産業振興財団主催の補助事業で新規事業などのビジネスプランを発表する「川崎起業家オ―ディション」(2011年3月開催)に公募参加して、「ビジネス・シーズアイディア賞」を受賞した。

同オ―ディションは、極めて高い成長性・収益性が見込める優秀なビジネスプランについて表彰するとともに、ベンチャーキャピタル(VC)とのマッチングによる投資誘導、政府系金融機関などからの融資などが適用される。

甘草同年2月には「弘前大GOGOファンド」の補助事業に採択されて、津軽地方での漢方植物「甘草」(写真)の栽培研究に取り組んでいる。
甘草を筒による栽培試験を通じて安定栽培にメドつけるのが狙い。

同社が甘草栽培で障害者の雇用促進を図るのは、医薬品、化粧品及び食品といった多分野に利用される漢方薬原料の代表的な植物“甘草”が、最近では中国の需要急騰で日本への輸入が制限されるなど、国産での栽培が不可避となっていること。また、安定的な甘草の量産化技術にメドをつけて雇用促進を図り、自前で栽培した甘草を配合した新たな化粧品開発に繋げる考え。

こうした障害者の雇用促進を図る背景には、三浦社長の社会福祉士としての活動実績がある。
独立開業する前に障害を持つ方々と共に汗を流し、泣き笑い、多くの時間を彼ら・彼女らと一緒に費やしてきた経験を持つ。
「障害者に安定した働く場を提供し、生活の質向上に繋げられれば」と、障害者の雇用促進に強い意欲を見せる。

同社は、国や地方の補助事業を活用して新規事業に進出または新技術・新製品開発に乗り出すなど技術開発型ベンチャーとしての事業特徴が見える。

 

#

↑