【連載】化粧品・美容関連ベンチャー企業の成長軌跡【5】ササキ① ~強電解酸性イオン水を採り入れた化粧品を開発・販売~
2016.07.25
編集部
株式会社ササキ(東京都荒川区、社長佐々木秀介氏)は、工作機械・機械工具の商社「ササキファイル」として1993年10月に東京都荒川区内で事業を開始。鉄工用鑢(ヤスリ)を中心とした機械工具を扱い順調に成長したが、2000年10月、会社倒産の一歩手前まで窮地に追い込まれた。それを見かねた友人が「強電解酸性イオン水配合の化粧品を扱ってみないか」と持ちかけてくれたことを契機に一大発起。2002年1月に現社名に変更するとともに、化粧品事業「バッサ事業部」を組織化して、新たに化粧品事業に本格進出した。
強電解酸性イオン水は、水のエネルギー密度を高めた水素イオンが水の1万倍もあることから、歯科、皮膚科など医学領域で注目されている素材。
強電解酸性イオン水に着目して処方した第1弾の自社ブランド化粧品「アバリール」を開発、2002年の新社名変更と同時に、全国の美容サロン向けに販売を始めた。以来、現在までに美容液、ローション、石鹸など6品目を商品化し、美容室専売品として販売(卸)している。
2004年1月には、強電解酸性イオン水を配合した第2弾のスキンケアブランド「バッサ」を開発し、現在までに美容液やローション、クレンジング、パウダーなど11品目を商品化し、全国の有名百貨店や化粧専門店、バラエティショップなどに投入・販売している。
美容サロンやバラエティショップ、百貨店などへの販売は、代理店を主体に卸販売しており、美容サロン向け、バラエティショップ向けなど約9割程度が代理店販売で占めている。
しかし、今でこそ基礎化粧品について美容室やバラエティショップなどと取引するまでになったが、現在に至るまでには、多くの辛苦を舐めた。
オーナー創業者の佐々木社長は、「化粧品に全く縁のなかった私は、この商品をどこで、どうやって売ったらいいのか?そんなことからスタートした。店頭実演販売で多くの人の手をマッサージし、時には口に入れて実演するなどして店頭に立ち続けた」。そんな状況の中で「化粧品を飲むなんて毒を飲むのと同じこと。命を張って商品を売るなんて」と言われたこともあった。
「これからも自社開発化粧品の素晴らしさを伝え続けて行くことが、私の生涯の仕事と思っている」として、ベンチャー企業の風通しを生かしながら化粧品事業をさらに牽引して行く考え。