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ニキビ治療にプロバイオティクスの補助的効果

抗生物質への耐性を獲得しつつあるニキビへの治療にプロバイオティクスを追加することで治療効果が上がるという研究結果が47日、「Dermatologic Therapy」オンラインに掲載された。

尋常性座瘡(ニキビ)は、生活の質に深刻な悪影響を与える慢性炎症性皮膚疾患である。ニキビの抗菌薬(抗生物質)への耐性の増加は、ニキビ治療の有効性を減少させている。そこで、イランの研究者らは、プロバイオティクスは腸と皮膚の微生物叢の恒常性維持を通じて、ニキビ治療に補助的効果があるのではないかと考えた。

今回の研究では、プロバイオティクス、プレバイオティクス、シンバイオティクス、微生物叢、尋常性座瘡などのキーワードを使用して、Science DirectPubMedScieloMedlineなどデータベースから抽出した文献のレビューを行った。その結果、環境研究から、抗菌タンパク質とバクテリオシン様阻害物質によって媒介されるアクネ菌に対するプロバイオティクスの阻害効果と、ケラチノサイトおよび上皮細胞に対する免疫調節効果を示した。また、プロバイオティクスは上皮細胞およびケラチノサイトのサイトカインIL-8を阻害することもわかり、免疫調節の活性を示唆している。さらに、ヒト皮膚表面に存在するブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)によるグリセロール産生は、ニキビに対する自然な皮膚防御であり、アクネ菌の異常増殖阻害こうかがあることも判明した。これらの結果から、プロバイオティクスの経口投与は、軽中程度の尋常性ざ瘡の従来治療法に対する補助療法となることがわかった。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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