【連載】医薬・創薬企業の化粧品事業④大塚製薬(下)~男性化粧品ウル・オス、トータルスキンケアブランドに成長~

2017.06.8

特集

編集部

大塚製薬の健粧品事業は、ニュートラシューティカルズ事業部傘下のコスメディクス事業部が担当している。
ニュートラシューティカルズとは「nutrition」(栄養)と「pharmaceuticals」(医薬品)の造語。

コスメディクス事業部が手掛ける化粧品のうち、最初に市場に投入したのが2005年1月に「エナジーシグナルAMP」(厚生労働省から医薬部外品認可)を配合した女性用化粧品「インナーシグナル」で、大手百貨店中心に販売した。しかし、「インナーシグナル」の販売戦略を見直し、2010年に百貨店販売から通販専門に切り替えた。現在、インナーシグナルを通販市場で販売している品目数は 13品目にのぼる。
インナーシグナルの販売強化策について同社は「新規のお客様をふやし、生涯顧客になっていただくための各種施策を実施中」という。

2008年には、ミドルエイジ層の男性向けに開発した男性用化粧品「ウル・オス」(写真)を市場に投入し、男性化粧品市場に一石を投じた。
ウル・オスの販売は当初、1万6千店のドラッグストア中心に販売したが、国内の男性用化粧市場を独占しているライバル企業を視野に据えて徐々にドラッグストアでの販売を増やし、約2万店にまで拡大した。また、商品アイテムを保湿、日やけ止め、洗浄、全身ふき取りシート、毛髪・頭皮ケアと徐々にラインアップ。
現在では、16品目を市場に投入し全流通(ドラッグ、総合スーパー、コンビニ、通販など)で取り扱われるなど、「頭のてっぺんから足のつま先までをケアする」トータルスキンケアブランドに成長している。
ウル・オスの国内販売強化については「スキンケアの必要性の意識啓発と潜在的ニーズに対応する製品展開でユーザーの増加を図る方針」。

一方、海外展開については、2012年3月に「ウル・オス」7品目を韓国男性化粧品市場に投入した。
医薬品の製造・販売、輸出事業を行う現地法人「韓国大塚製薬」(6ヵ所の販売拠点と1ヵ所の生産工場保有)が「韓国内のドラッグチェーンで男性スキンケアナンバーワンになるなど実績を積んでいる」と説く。

引き続き、健粧品(コスメディクス)の考え方のもと国内はもとより、グローバル展開も視野に入れながら事業を推進していく方針。

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