【連載】医薬・創薬企業の化粧品事業⑩アロエ製薬 ~アロエ育毛剤等開発、通販市場投入~

2017.06.28

特集

編集部

小林製薬株式会社(大阪府大阪市)の化粧品事業は、ジュジュ化粧品株式会社(大阪府茨木市、子会社)と子会社でOTC医薬品と化粧品事業を行っているアロエ製薬株式会社(静岡県島田市)の両輪で行っている点に特徴がみられる。
同社がアロエ製薬(1939年創業)と株式譲渡契約を締結したのは、2006年6月。アロエ製薬がユリ科の多肉植物であるアロエの持つ様々な効用に着目して外用の医薬品「間宮アロエ軟膏」を柱にアロエ化粧品などの製品ラインナップ充実に努めている点に着目。
小林製薬が保有するマーケティング力、販売力、研究開発力とアロエ製薬が保有する製造技術力のノウハウを相互に提供し合うことで、相乗効果を発揮できると判断して買収・傘下に収めた。

アロエ製薬を傘下に収めて11年を経過した現在、アロエ製薬がアロエ育毛剤(写真)、シャンプー・コンデショナー等の開発と製造を担当。無農薬栽培された国内産のキダチアロエから抽出したアロエエキスを使った主要化粧品「アロエ育毛剤」は、血行促進成分としてセンブリ抽出リキッド、ビタミンE誘導体、抗炎症として甘草抽出物のベータグリチルレチン酸などを配合している。
アロエ製薬が開発したアロエ育毛剤やシャンプー等の販売は、小林製薬の通信販売事業部門による通信販売と新会社「アロエガーデン」(大阪府大阪市、2015年設立)が展開する直営店舗及び代理店を介して、ドラッグストアや量販店等に卸販売している。
新会社アロエガーデンが展開する直営店舗は、現在「ららぽーと立川立飛店」の1店舗(2015年12月オープン)で、オリジナルスキンケア「アロエガーデン」など7品目を販売。また、代理店を介してドラッグストアや量販店等にスキンケア「アロケア」など10品目を卸販売。通信販売は、アロエ育毛液(医薬部外品)など10品目を販売している。
アロエ専門店「アロエガーデン」は、アロエをサイエンスとナチュラルの両面から追求したライフスタイルショップで、情報発信の位置づけにある。この直営店舗オープン後、アマゾン店とヤフー店のオンライン2店舗もオープンした。

こうしたアロエ化粧品の販売強化でアロエ化粧品、OTC医薬品等に賭ける小林製薬グループの意気込みの大きさを感じられる。
今後、アロエ製薬のアロエエキスを配合した新化粧品の開発・販売をいかに強化していくか、具体的な戦略がまたれる。

#

↑